日本冒険小説協会大賞
海外部門1位
『ファイナルカントリー』
ジェイムス・クラムリー 殿

貴方は探偵が職業ではなく生活の一部と化した還暦を迎えんとする酔いどれミロの無様でありながらも清々しい生き様を 詩情豊かに描いた本作により栄えある大賞を獲得されました。 分不相応な恋人を得ても、生涯食うに困らない大金を得ても、酒やドラッグに溺れても満たされぬ初老探偵ミロの渇望の行き着く先は至福か虚無か。 据え膳に手を出したばかりに殺人の濡れ衣を着せられたミロ。愛車キャデラック・エルドラドを駆ってミロの行くところ銃弾と血飛沫が飛び交い、 西部の荒野に美女の林とドラッグの山とアルコールの海が現出する。 人生の黄昏などとは無縁で老いて益々盛んな探偵ミロの破天荒な冒険譚を倦む事なき疾走感とハイテンションで描き切った貴方の圧倒的な筆力と 尽きる事なき発想に敬意を表し、ここに称えます。

2005年4月2日
日本冒険小説協会会長
内藤 陳


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