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現実逃避にはこの本を!

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様

「急性いい人症候群」の後遺症は大きかった。
いわき市に一週間行っている間に仕事と雑務と不意打ち的な問題が山積し、
そうでなくてもありんこ程度の私のキャパは完全にオーバーしてしまった。
昨日書いたブログは不備があったため修正しなければならなかったが、
その気力がわかず、全部削除してしまった。
で、何から手をつけようかとぼんやりしていたら、アマゾンから高橋秀実『ご先祖様はどちら様』(新潮社)が届いた。
「こんなことをしている場合じゃない」というときの読書ほど甘美なものはない。
しかも大好物であるヒデミネさんの新作だ。
読みはじめたら、いつも通りの、全身脱力の徹底取材と、人を食ったようなヒデミネ節のオンパレードで、現実逃避に最適の本だった。
昼寝を二回はさんで読み終えたら、日が暮れていた。
ああ……、とご先祖様に手を合わせたくなった。

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Comment

  1. go より:

    AGENT: DoCoMo/2.0 N03B(c500;TB;W24H16)
    お疲れさまでした。
    ゆっくりお休みになってください。

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    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
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