*

佐藤圭作監督『人間椅子』

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様


私の学生時代からの数少ない探検部以外の友人である佐藤圭作が、
今度、商業映画監督としてデビューすることになった。
私が二十代でフリーライターというかフリーターだった頃、彼は某就職情報誌の編集をやっており、いろいろ仕事をつくってくれたものだ。
私だけでなく、奇人ドラマーののなか悟空さんとか、私の盟友でウモッカ探しにインドまで同行してもらった「キタ」にまで原稿を書かせた。
のちに「バトルロワイヤル」で一世を風靡することになる、しかし、当時は極貧だった漫画家・田口雅之が、悟空さんの過激エッセイ用のイラストを書いていた。
まさに「佐藤圭作一座」という様相を呈していたのだ。
あれから十数年、彼は自主映画の世界では、
作家の乙一と組んだりして評価の高いものをつくっていたようだが、
いよいよ晴れて、メジャーリーグに登場した。
その記念すべき第一作が江戸川乱歩「人間椅子」のリメイク版。
試写会で見た大槻ケンヂ氏が絶賛していたという。
オーケンさんは、長年私の本の宣伝係を務めてくれていたし、
つくづく「弱小な変人」の味方である。
以下が上映情報です。
.『エロチック乱歩/人間椅子』
公式サイト
http://www.artport.co.jp/movie/rampo/
6/30(土)〜7/6(金)、7/14(土)〜7/20(金)、シアターN渋谷にてレイト
ショー
6/30の初日舞台挨拶、また上映期間中にもトークイベントの開催を予定してい
ます。
CAST
宮地真緒 小沢真珠 板尾創路
辻修 石川謙 鈴木薫 鈴木拓也 茅野雅生 水戸ひねき 他
監督・脚本/佐藤圭作
原作/江戸川乱歩
2006年/日本/カラー/DV/ビスタサイズ/ステレオ/76分
配給・宣伝:株式会社アートポート www.artport.co.jp

関連記事

no image

思い出探しに来たわけじゃないけれど

現在、チェンマイに滞在中。 バンコクにいると、どうしても「これがタイだ」と思ってしまう

記事を読む

no image

ヒマラヤのイエティは神戸で飼育されていた!?

最近、さまざまな未知動物について調べているが、 私が知らなかったことがすごくたくさんあり、 驚きの毎

記事を読む

no image

フリーランスの志士

家に攘夷モノがないか探してみたら、藤沢周平『回天の門』(文春文庫)に気づいた。 千葉道場きっての剣

記事を読む

no image

元気が出てしまう(?)自死の本

いわゆる「野暮用」ってやつで、仕事に専念しているわけでもないのにともかく忙しくて ブログを更新でき

記事を読む

no image

野宿イベント

昔、上海の安宿で若い日本人旅行者に会ったことがある。 「前にどこかで会いましたよね?」と彼は言うが、

記事を読む

no image

おすもうさん

相変わらず慌しい日がつづいているが、移動時間や待ち時間も多いため 仕事はできなくても本は読める。

記事を読む

no image

書店野宿

2年前、前代未聞の「書店プロレス」を実施した伊野尾書店の伊野尾さんから、 今度は「書店野宿」という

記事を読む

no image

卵ゲップ病

 昨日の晩、イシカワに電話をしたところ、「帰ってからも下痢が止まらなくて、参った」という。  それは

記事を読む

no image

螺旋

たまにはガイブン(外国文学)が読みたくなり、サンティアーゴ・パハーレスの『螺旋』(ヴィレッジブック

記事を読む

no image

新趣味はロマ(ジプシー)音楽

最近、急に趣味がいくつもできてきた。 その一つがロマ(ジプシー)音楽を聞くこと。 ジプシー音

記事を読む

Comment

  1. のなか悟空 より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)
    へぇ・・・ケイサク君って埋もれてなかったんだね。セミのように長く地中で耐え、世に出る準備をしていたんだね。
    あの時分にライターの仕事をくれたのは大感謝。
    こんどは役者の仕事が欲しいわな。
    エロ爺とかの役で・・・ムリか・・・。
    最近の高野クンの好調ぶり、陰ながら応援してるぜ。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2024年4月
    « 3月    
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930  
PAGE TOP ↑