*

草食系夫にも推薦

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様


メディアファクトリーという出版社の編集者より、
森岡正博『草食系男子の恋愛学』という本が送られてきた。
そういえば前にブログで紹介した『カレセン』(枯れたおじさん専科の意味)も
メディアファクトリーだった。
新しい恋愛ジャンル開発に熱心な出版社なのかもしれない。
手にとってパラパラめくっていたら、止まらなくなり、
そのままほぼ一気に読んでしまった。
面白いのである。
草食系男子とは、自分からガツガツと女子を捕まえることができない、
要するに「モテない男」のことで、
そういう若者たちに女子は何を考えているか、どうアプローチしたらいいのかを
元草食系哲学者が理路整然と説いていくという筋立てなのだが、
これを読んでいて、冷や汗が出た。
なにしろ、「女性の気持ちをつかむためにやるべきだ」と著者が言うことを
私は妻に対して全然やってないからだ。
「こういうときにはこういうふうに反応してはいけない」ということをもろにやっていたりもする。
「草食系男子」だけでなく、「草食系夫」(妻を放置している夫)にもひじょうに参考になる。
私の場合、どこが具体的に参考になったのか、
ここに書くわけにはいかない。妻が見るかもしれないし。
こっそりとクレーム対応改善を行い、クライアントの希望にこたえる所存だ。

関連記事

no image

タマキングのおそるべき深化

早く紹介せねば!と思いながら、もう発売から二週間近くが過ぎてしまった。でも、まだ買っていない人もたく

記事を読む

no image

Somaliland ni iru hutari no watashi

Twitter dewa mou kaiteirukedo,yatto Somaliland

記事を読む

no image

藤沢周平症候群にお悩みの方へ

前にも書いたが、長年私は深刻な藤沢周平症候群にかかっている。 この病気にかかると藤沢周平以外の時代

記事を読む

no image

この夏は「人間仮免中」

忙しい。仕事と雑務から逃げるように奄美に行き、まる五日、さんざん楽しんで帰ってきたら、しつこく彼らは

記事を読む

no image

寒波と猛暑

フランスに亡命したルワンダ人の友人のところに母国から家族が到着した。 奥さんと娘が移住を認められたの

記事を読む

no image

本の宴会

妻の大学時代の友人たちが集まる飲み会があり、私も混ぜてもらった。 場所は、やはり妻の友人で、本マニ

記事を読む

no image

原発君とインド人

今日も原発君は元気なようである。 原発を憎むとかえってよくないような気がして、 親しみをもたせて、心

記事を読む

no image

世の中がキビシイのではなく

二週間ほど前のこと、探検部OBで映像ディレクターの竹村先輩と本の雑誌の杉江さんと 三人で会った。 2

記事を読む

no image

謎の独立国家ソマリランド大吟醸拾年古酒

仕事場にしている「辺境ドトール」は昭和の世界だ。 店長夫妻が常に店におり、私たち常連の客と交流

記事を読む

no image

「いちおう民主国家」ミステリ

今さらだが、伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』を読んだ。 独裁国家でのミステリ読書週間の番外編だ。

記事を読む

Comment

  1. NONO より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; GTB5)
    うーん〜
    草食男子はまだ、モテます。
    オレみたいな肉食オトコは、もうボロクソ。
    犯罪者、とすら言われます。
    でも、いいんです。
    最後にシアワセになれば。

  2. 金岡大輔 より:

    AGENT: Vodafone/1.0/V705SH/SHJ001 Browser/VF-NetFront/3.3 Profile/MIDP-2.0 Configuration/CLDC-1.1
    ほんまですよ
    肉食は最低とかありとあらゆる罵声を浴びせられます
    別にどーてもいいけど
    高野さんの本の話とか深夜特急の話とか酒飲みながらできる人ってもういないんですかね。
    中島らもさんとかの
    草くうてるとか肉とか以前の話ですね
    女性で美しい人で
    さあ!朝からビールがうまいんですよ!!!!!
    高野さんの本を読んだらね

  3. アジケト@草食系志望 より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; GTB5; .NET CLR 2.0.50727)
    高野さん こんにちは
    >要するに「モテない男」のことで、
    テレビの番組などでの取り上げ方を見ると
    むしろモテる男のように思っておりました。
    「草食系男子の落とし方」みたいな感じで妙にもてはやされて
    いるような…しゃれでしょうか?

  4. 太郎 より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; GTB5; .NET CLR 1.1.4322; .NET CLR 2.0.50727)
    「肉食系女性の恋愛学」と言う本を誰か書いたら
    面白いんじゃないでしょうか?
    草食系男性として興味があります

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2024年3月
    « 3月    
     123
    45678910
    11121314151617
    18192021222324
    25262728293031
PAGE TOP ↑