*

世界のコジマ

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様

辺境ドトールで杉江さんと打ち合わせ。
このブログや杉江さんの日記を読んでいると私たちが四六時中つるんでいるように思うかもしれないが、実際には顔を会わせるのは月に一回程度。
なので、ここ1か月の間にたまったことをヨーイドン!の勢いで話す。
最近読んだ面白い本、出版界の噂話、本が売れないという定番ストーリー、
エンタメノンフ文芸部の低迷ぶり、明日のドラフト、浦和レッズの連勝連敗の謎、
そして最後に5分ほど仕事の打ち合わせ。
杉江さんは来年、こんな本をつくってこんな原稿を載せたいと言っていたが、
あまりに突拍子もないので「へえ」と軽く流してしまった。
いいのか、ほんと。
      ☆        ☆        ☆
プールで「世界のコジマ」さんと初めて話をする。
今年75歳だが、今でもトライアスロンのしかもアイアンマンレースに出ている人だ。
スイム3.8km・バイク(自転車)180km・ラン42.195km、制限時間は17時間以内という恐るべきレースに出場しているだけでなく、昨年はハワイの世界大会で優勝したという。
まさに「世界のコジマ」なのである。
今までもしょっちゅうお見かけして、その鍛え上げられた肉体には驚嘆していたが、
今日もっとも驚いたのは奥さんが認知症で記憶が5分しかもたないため、
コジマさんは介護しながら練習に明け暮れているということ。
朝昼晩と三食食事を作り、買い物へ行って、掃除、洗濯をこなしつつ、
その合間を縫って、ラン10キロ、バイク100キロ、スイム3キロやっているんだそうだ。毎日である。
「でももしトライアスロンをやってなかったら、妻の介護をここまで続けられなかったでしょうね」とコジマさんは言う。
生き甲斐があってこそ介護もできるということなのだろう。
時間が限られているからこそ練習に身も入るということもあるのだろう。
でも、凄い。凄すぎる。
まさに鉄人中の鉄人。
詳しい記事が国際トライアスロン連合の公式HPに掲載されているので
興味のある方はどうぞ。
写真もあります。

関連記事

no image

野口英世は史上最強の日本人探検家!

高野秀行公式サイトへようこそ。  ここでは私の日常模様を書くことになってるのだが、私の日常は「飲む、

記事を読む

no image

新年早々の願い事

今年最初の読書は意外にも(?)村上春樹『めくらやなぎと眠る女』(新潮社)。 装丁があまりに素晴らし

記事を読む

no image

ひそやかな花園

友人と午後1時に品川駅高輪口に待ち合わせだったのだが、 こういうときにかぎって30分以上も前に着い

記事を読む

no image

NHK「きょうのお料理」

立て続けに珍しいインタビューを二つ受けた。 一つは朝日新聞の受験生向けサイト。 テーマはパニック力

記事を読む

no image

アフガンの謎を千葉で解く

火曜日、『アジア未知動物紀行』の最後の著者校正をやっていたら、 校正係から困った指摘を受けた。 アフ

記事を読む

no image

バンコクの冬

最近、飛行機での移動中は、話題作(あるいは古典)の長篇ミステリを読むというのがマイブームである。

記事を読む

no image

ユーフラテスの旅の落とし穴

昨日やっとこワンに飛んだ。 延々とつづく茶色の香料として山岳地帯を見下ろし、 「こんなところで河下り

記事を読む

no image

ランニング復活記念に立ち会う

月曜日の晩、チェンマイ門の近くにある日本人ゲストハウスの庭先で開催されたライブを見に行った。

記事を読む

no image

『ワセダ1.5坪青春記』韓国でヒット中

ソウル・ショック第2弾は、私の本の韓国語版『ワセダ1.5坪青春記』が 発売たった2ヶ月で3刷りにな

記事を読む

no image

今、日本で最も儲かっているかもしれない輸出業者はこう言った

昨日のブログで書いた調布の中古車輸出会社だが、ほんとうに儲かっている。 半年ほど前、初めて社長に会っ

記事を読む

Comment

  1. DVM より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; GTB6; YTB730; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; Media Center PC 5.0; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30729; .NET4.0C)
    コジマさん、今年、鎖骨を骨折しながらも「医者には内緒」と片手で泳いでいました。
    今はもう治って、両手で泳いでいます。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2024年4月
    « 3月    
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930  
PAGE TOP ↑