昨日のマレー半島西南部の停電のニュースがリアルタイムで日本にも流れていたのはちょっとびっくりした。
ボクは出張(あくまでも自由業の自己申告)でジョホール・バル(JB)にいたのだが、終わってみれば2時間ばかりの停電。ボクはショッピングセンターにいたが、電気が復旧したとき歓声が起こった。
局地的停電だったら日常茶飯事で済んだことだ。現に先月やはりJBの友人の家を訪れていたときも停電だった。もうその友人には、「アイツが来ると停電が起こる」と思われているだろうが…。
今回はエリアが広かったことと、クアラ・ルンプール(KL)や行政府のあるプトラ・ジャヤ首都圏の一部も含まれていたのでやはり今日の新聞でも大きなニュースだった。
今回、「結構広い範囲で停電のようだ」と聞いた時、頭をよぎったのは96年8月の半島大停電。ボクのように在マレーシア歴10年以上組みには、共通体験として記憶に刻まれている。
このときはケランタン州を除くマレー半島全体が12時間にもわたって停電した。午後5時ごろからだったので明かりが必要な時間帯に影響したので、やはり強烈な記憶となっている。
電気がないと一番困るのは交通。信号機も機能しなくなり、交通事故が多発した。今回の停電でもそうだったが、KL首都圏の電車網がストップした。96年のときは、KTMコミューターしかなかったが、今回はLRTやモノレールなど線が増えているので、対策は急務だ。
もちろん、商店は盗難対策とレジがオンライン化していたりするので急遽閉まったりするが、屋台や庶民の雑貨屋など旧時代的な店が俄然強みを発揮する。古いライフスタイルを維持するマレーシアに拍手したくなる。あと、ラジオのありがたみも増すものだ。
96年のときは、明かりが消えたKLの街にKLタワーが唯一輝いていた。通信塔なので、発電装置があるのだろう。完成して間もない時期だったので、格好のPRになっていた。KLで今度大停電があったら、KLタワーに逃げ込むのが一番かもしれない。
まぁ、今回は昼間で2時間程度の停電で済んだが、やはりタイミングと場所が悪いとタダではすまない。96年のときは、当時のマハティール首相は、折りしも外交団を案内していた時で、国のイメージが損なわれたと大激怒。電力会社テナガ・ナショナルの経営陣のクビが飛んでしまった。
今回もインド洋大津波でキャンセルされたが、F1ザウバーの新車発表がマレーシアで行われる話もあった。もし、そんな機会に停電が起こっていたら世界中に喧伝されていたかもしれない。
まぁ、庶民的には料金を滞納するとすぐ電気を止めてしまうテナガ・ナショナルが非難されるのには、心の中で小さく喝采してしまう。(ホント、すぐ電気切るんだよな)