今日もなんだか自動車がらみでモータスポーツの話。
マレーシアは日本につぐアジアで2番目のF1開催国だ。
アレックス・ユーンというこれまた日本につぐアジアで2カ国目出身F1ドライバーがいることも先週書いた。
そのモータースポーツ王国を目指すマレーシアをいたく刺激するグランプリ(GP)・シリーズが画策されている。A1GPというものがそれ。
このA1、国別対抗というのがF1との最大の違い。
サッカーに例えると多国籍クラブチームがF1で国の代表が戦うのがA1という感じだ。
A1の目指すところは、資金の大きいチームが常勝する優勝劣敗のF1のアンチテーゼである部分が大きい。
まずマシーンはワンメイク。(つまり全チーム同じマシンを用いる)
二つ目にドライバーを含む全員(最高10人)がその国の国民であることだ。
三つ目にF1のシーズンオフの9月開幕。
四つ目に電子制御に頼らずドライビングをすること。
画策者はアラブ首長国連邦のドバイ首長の甥であるシェイク・マクトウム・ハシャーという人らしい。
まだ確定ではないものの参加国は、欧州が英、仏、独、伊、スペイン、ポルトガル、スェーデン、ギリシャ、トルコ、ロシア、北米がカナダと米、南米がブラジルとアルゼンチン、中東がバーレーンとアラブ首長国連邦、オセアニアが豪州、アフリカがエジプトとサブ・サハラ・アフリカン、そしてアジア日本、中国、マレーシア、インドネシア、インド、パキスタン。あくまでも未確定だが、全大陸を網羅するものとなっている。
モータスポーツでは違うカルチャーをもつ欧州と北米が参加しているところも注目だ。F1開催を果した中国、バーレーン、来年F1開催国になるトルコや開催を目指すロシア、インドなどモータスポーツ立国を目指す国が含まれているところが開催者の狙いか。エジプト、パキスタン、インドネシアなどの名前も挙がっているところが驚きだ。
マレーシアは当然アレックス・ユーン(写真)をすえてチームマレーシアを立ち上げる考えで、出資者を募っているところ。
全14戦シリーズになる予定で、マレーシアも11月の第5戦の開催国に挙がっている。
先に話したようにワンメイクにより、接戦がみられるレース内容になるのなら、参加国のアジア、中東、アフリカ、ロシアでは人気になるのではないか。
ただワンメイクであり、自動車メーカーの名が前面に出るわけではないので、F1のように自国の自動車産業発展やマーケットの拡大といった効果はない。
ドライバーの人気だけでどれだけ興行として成り立つかが鍵だろう。
それでも欧州、北米、南米、日本は他のカテゴリーを引退したドライバーらが出て、他の地域はF1を目指す若手が出れば大いに盛り上がるかもしれない。
ちなみにアレックス・ユーンは、01年後半から02年途中までミナルディでF1に参戦。02年開幕戦で入賞一歩手前の7位に入ったのがキャリアのハイライト。(このときチームメイトであり、今シーズンウィリアムスに大栄転したマーク・ウェーバーは5位入賞という弱小ミナルディには奇跡のような場面だった)
しかしながら、ユーンは欧亜系の甘いルックスと同じく欧亜系元ミス・マレーシアのアリアナ・ティオを妻に娶るなど、ローカル・セレブとして知名度と影響力は大きい。
A1が実現すれば、マレーシアでは盛り上がることは確実だ。
ただ00年ぐらいに北米にも転戦しているル・マン・シリーズをアジアでも開催しようという話は見事にコケた。
なのでレース関係者には騙されない程度に実現に協力してもらいたいところ。