昨日は、アンワール氏による政権奪取宣言の日であった。
政権与党は、国内治安法(ISA)をブロッガー、野党議員、新聞記者3人に発動したことが、政府・与党内からも反発が起こり、運命の9月16日を前になんだか自分の首を絞める行為になってしまった。
「ISAは、本来共産主義ゲリラの一掃に作られたものであり、テロリストなどの武装勢力に適用すべき。民間人をISAで拘束するなど法の精神に反している」と、ザイド・イブラヒム首相府大臣が辞表を叩きつけた。まったくもって正論だ。
ISAで拘束された星州日報のタン・フンチェン記者は、結局18時間で釈放され、警察当局による見せしめの観があった。タン記者は、星州日報英語版ウェブサイトにISAで拘束された体験(こちら)を綴っている。はっきり言ってどんなことを尋問されたのかという核心について言及がゼロなのだが(警察・権力当局の脅威を感じているからか)、市民に今回のISA発動に疑問を感じさせるには十分だ。
一方、政権奪取を目論むアンワール氏は、「(与野党逆転に十分な)31人以上の鞍替え国会議員数は確保した」と笑みを浮かべて会見。アブドゥーラ首相は、「その鞍替え銀の名前を公表しろ」と迫った。
ドラマのように突如与党議員が鞍替えを象徴する衣装を纏って登場して「ブルータス、お前もか!」と困惑するアブドゥーラ首相の顔が写るような場面はなかったが、まだ先に何かが起こるという演出的な流れでも、心理戦でもアンワール氏がアブドゥーラ首相と与党を追い詰めている観がある。
10月に再開される国会では、野党側から首相不信任案の動議が発動され、与党から野党に鞍替えした議員が衆目を驚かせる運びか。そうなるった時に下院議会解散・総選挙というアブドゥーラ首相に備えて、与党は国民を歓心を買う秘策でも打ち出すのか。
面白がってはいけない。
何度もいうけれど、政治勢力の対立で爆発しそうな民族の緊張をISA以外で抑えることを優先して欲しいと願うばかりだ。
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その秘策が今日からのガソリン10セン値下げだとしたら
効果はあまり期待できないですね。
でも政治的に安定している国という一番の売りが揺らぎはじめてます。
ISAなんか簡単に発動しちゃだめだよなー。
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もう政府も国民の歓心を買えるようなアメを与えるほどのお金も残っていない感じですよね。
UNNO党選挙延期とナジブ副首相への権力禅定を時期早めて、政権浮揚を狙うという憶測が出ていますけれど、党規違反にならないのか気になりますね。
明日どんな発表があるのか。