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『15・マレーシア』、アミール監督「The Tree」 – アサ・ネギシのページ/Music Raja
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マレーシア・ライターの見聞録

『15・マレーシア』、アミール監督「The Tree」

15Malaysia
 引き続き目の離せない作品の発表が続く『15・マレーシア』(サイト
 3作目は、アミール・ムハマッド(Amir Muhammad)監督の「The Tree」だ。

 アミール監督といえば、”発禁王”といったら大げさだが、『The Last Communist』と『Apa Khabar Orang Kampung』というドキュメンタリー作が国内上映禁止となっている。それぞれ共産ゲリラと共産ゲリラと戦った人たちを取材した作品だが、政府としては「共産ゲリラの惨禍で犠牲になった人たちの気持ちを逆なでする」といった理由を述べている。
 ただ昨年、初の商業作品となるホラー作『Susuk』を監督し、独特の映像美をもっていることも世に知らしめたので、活躍の場も広がりそうだ。
 さて、本作はやはり彼の本分であるドキュメンタリー作家の才能がうかがえる作品。
 長く野党マレーシア・イスラム党(PAS)を率いる精神的指導者、ニック・アブドゥール・アジズ(Nik Abdul Aziz Nik Mat、以降、通称ニック・アジズ)氏が、イスラムについてインタビューだ。
 まずこの人を選んだことが慧眼だ。ニック・アジズ氏ほど大衆に誤解されている人もいないだろう。氏が州主席大臣(知事に相当)を務めるケランタン州は、イスラムによる統治が徹底している土地柄。原理主義ともいってよいだろう。
 そういった背景もあり、与党寄りのメディアからは、いかに氏の発言が現代社会から外れているかと感じられる部分だけ、引用されてきた観がある。「お笑い北朝鮮」ならぬ「お笑いケランタン州」といった趣だ。
 アミール監督がこのプロジェクトの素材に氏を選んだことで、ほとんどの都市に住む若いマレーシア人、特に非マレー系は、初めて「彼の言うことにも一理あるなぁ」とか「もう、どっかにいっちゃっている人だなぁ」と判断しうる長さと内容のインタビューを目にしたのではないか。
 ただアミール監督は、主観的に最後に収録した氏の言葉「イスラム世界の抱えている問題は、神の統治の及ばない人々、イスラムの敵による攻撃に起因している」に氏の本質を込めた。
 ボクは、この人も時代は超えられない人だな、というのが正直な感想だ。

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3 Comments

  1. わにた・じゅぷん わにた・じゅぷん
    2009年8月25日    

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; GTB6)
    アミール・モハマド監督はインド系らしいですが、ママッと呼ばれるインド系ムスリムなんでしょうか?
    「最後の共産主義者」という作品はぜひ見てみたいです。日本で公開される機会はおそらくないでしょうが、マレーシアでDVDかVCDは売られていませんか?
    それにしてもムスリムはどこの国でも一緒ですね・・・・。「イスラム世界の抱えている問題は、(アラーの)神の統治の及ばない人々、つまりイスラムの敵による攻撃に起因している」ですって?
    我々の世界の風紀や平和が乱れているのは常に他人のせいであり、決して自分たちのせいではない、ってか。
    少しは自分達にも非がある、と指摘するイスラム同胞はいないのか、紹介しないのか。
    まるで中国人や韓国人の考え方に似ている・・・まぁ日本人みたいに、過去の戦争のことを何でもかんでも悪うございましたと言う、(ジョークやコメディという意味は無しで)自虐的な民族の方が例外的なんでしょうけど。
    関係ありませんが、数年前(田中真紀子が外相やってた時)群馬か長野の道端でコーランが破かれてて、在日パキスタン人が大勢集まってデモってたのを思い出します。異教徒のイスラムに対する寛容さに付込んでいるとしか思えない。お前らいい加減に日本人をなめるなよ。
    ニック・アジズ氏も同類だ。せめて統治州でのコンサートや映画くらい許可しろよ。

  2. アサ・ネギシ アサ・ネギシ
    2009年8月27日    

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 1.1.4322)
     わにたさん、確かに氏の最後の言葉は、サイトのコメント欄でも反応があるようですね。
     「イスラムの敵」の部分は、マレーシア人同士穏やかに意見を交換しあっている様です。まぁ、プロジェクトとしては、正鵠を得た感じでしょうか。
     宗教の意味が我々日本人より重いマレーシア人は、氏が美しい言葉で教えを語っている部分(どの宗教家でも大事な資質ですが)には共感を得ているようです。
     ただ、いくら氏にとってイスラムに宗教分離の観念がないにしても、氏は宗教家ではなく、政治家なので、ああいう誤解を生みそうな表現はして欲しくないとも思う次第です。

  3. Assidique Assidique
    2009年8月31日    

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30618)
    マレー語でなんと言っているのか判らないので自信を持っていえないのですが、「イスラムの敵」と言う表現は、ムスリムかムスリムではないかということで線を引いて敵味方という見方をしている訳ではないと思いますよ。
    判りづらく見方によっては非常にコントラバーシャルな表現ですが、あえて定義を明らかにしないことで見る人たちに思考や議論を促したのか、とても印象的な終わり方ですね。
    オフィシャルサイトの書き込みを見る限り、「イスラムの敵」の言葉も含めてマレーシア人には概ね好意的に見られているみたいですね。

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