昨日のペナン戦のことで気が晴れないので(もちろんサッカーのことです)、音楽のことを。せっかく、CD Rivewというカテゴリーを作っておきながら、一度も書いたことがなかったので。
『Rockstedy:Timur Lawan Barat』は、ハード・ロックファンのためのコンピレーション。といっても、この手のお安い企画モノは市場にあふれており、収録曲はどれも名曲の評価が定まっていて、必ずこの手のコンピレーションには入っているものだ。しかし、“Timur Lawan Barat(東西対決)”と名づけられているのがミソ。80、90年代の当地のロックと欧米のハードロックの名曲が混在しているのだ。
欧米モノでは、「The Temple of The Kings 」、「Soldier Of Fortune」、「Still Loving You」は、ここ20年マレー系が好きな3大ロック・バラードである。なんでこれらの曲が人気があるのかが、マレー・ロックを聴きながらだとはよくわかる。(収録曲は下に)
ボクは前々からマレー・ロックバラードは、Scorpionsの「Still Loving You」の様式を借りてマレー的泣きの情緒を注入したものだ、と語ってきた。そして個人的には、模倣や焼き直しと切り捨てず、積極的に評価してきた。本作に収録されているSearch、Wings、Lefthanded、Mayといったバンドは、血肉としてマレー的な泣きをハードロックの様式で表現してきた重鎮達だ。ロックがトレンドだったという理由では、マレーロックが脈々と受け継いできた泣きの遺伝子は説明しきれないと思う。
若い世代の地元の音楽ファンにも、日本と同じように“ヘビメタ”という言葉に蔑視感を込め始めているが、メロディーに「Rasa(心)」があってこそマレー音楽だと気づいて欲しいものだ。
やっぱ、「マレー語音楽にはロックがなきゃダメだ」っていうと陳腐だなぁ。
アサ・ネギシ的に「マレー人的な感情の発露には、ハードロックが一番合っているのだ」と言っておこう。
収録の1、2、9などは、ボクが愛してやまない名曲だ。
<収録曲>
1.Fantasia Bulan Madu Search
2.Intanku Kesepian Wings
3.Still Loving You Scorpions
4.Sentuhan Kecundang Ekamatra
5.Srikandi Cintaku Bloodshed
6.Still Got The Blues Gary Moore
7.Aduhai! Seribu Kali Sayang Iklim
8.The Temple of The Kings Rainbow
9.Debunga Wangi Lefthanded
10. Soldier Of Fortune Deep Purple
11. Every Rose Has Its Thorn Poison
12. Takdir Dan Waktu Mega
13. Changes Black Sabbath
14. C.T Cinta Kenangan Silam XPDC
15. Sendiri May