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MPPJ・セランゴール−ペナン戦観戦 – アサ・ネギシのページ/Music Raja
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マレーシア・ライターの見聞録

MPPJ・セランゴール−ペナン戦観戦

 2月27日、ペナンは第6戦となるアウェイでのMPPJ・セランゴール戦を迎えた。
 MPPJは、プタリン・ジャヤ地区役所というチーム名からは想像しがたいが、豊富な税収入を元にチーム作りを進めてきた。03年には、州チーム以外で初めて伝統あるマレーシア杯を制覇。当地サッカーの歴史に名を刻んだ。昨年はプリミア・リーグを制覇し、スーパーリーグに昇格してきた。
 MPPJはここまで1分4敗で最下位。自慢のアルゼンチン人トリオの活躍が今ひとつで1点差での競い負けが目立っていた。
 対するペナンは中盤のブラジル人バレトとノルディン・カミスが戻り、伊藤もFA杯サラワク戦でのゴ先制ールで気をよくして迎えられたように見えた。しかし、開幕以来全戦先発出場してきた伊藤には、疲労という重い足かせがのしかかっていた。
 前半は3分、ロシア人FWメルニコフがシュートを放つ場面があったが、MPPJの徹底したプレッシャーと早い中盤へのパスでボールを支配する時間が続く。ペナンDF陣は、MPPJのFWマネステロロの必死のボールキープにが翻弄されていく。ペナンは14分にメルニコフのシュート、15分には伊藤がCKを蹴るが、決定機を作れなかった。
 ペナンに流れを作らせないMPPJは、36分、FKからゴール前にこぼれた球をMFフランチェシが押し込んで1−0と先制する。
 3分後ペナンは中央で伊藤からFWファイサル・エサハールにパス。マークを背負ったファイサルは後ろ向きのままメルニコフにヒール・パス。GKとの1対1になったメルニコフが決めて1−1の同点に追いついた。
 今季、パハン戦のように先制されてもすぐに追いつくペナンの勝負強さが発揮されたように見えた。
 しかし、後半に入ってもペナンはMPPJの徹底したプレッシャーに苦しむ。ペナンDF陣は、アルゼンチン人MFマルテロロとフランチェシの執拗なかき回しに混乱し、ロングボールを前線に放り込むしかすべがない。伊藤も守備のために広く開いた中盤を縦に走らされる場面が続く。また、右サイドでいい位置取りができている伊藤がベレトに手を挙げてパスを要求するが、MPPJの執拗なマークにパスが出せない。この試合、伊藤は一度大胆なサイドチェンジを試みたが、打開策とはならなかった。
 MPPJは63分、ゴール前の混戦からマネステロロが押し込んで2−1と勝ち越し。クリアーミスと取られても仕方がない失点だった。
 ペナンは65分から70分前後までに伊藤による3本のCKを得るが、PMMJゴールを割ることはできなかった。MPPJのGKファイザル・ラシッドとメルニコフ交錯し、いがみ合う場面が見られた。後になってみれば、ここでメルニコフが冷静に対処し、警告を受けなかったはせめてもの救いだった。

 さらにMPPJは71分、ゴール前にFKを得る。MPPJにはペラ戦で芸術的FKを決めたアズリン・シャー・ザイナルが蹴った。幸いポストを外れたのの、不用意な失点を喫する危険があった場面だった。
 ペナンはロスタイムまで左サイドMFのン・コックヘンらが踏ん張り、反撃に出るものの、確実度の高い伊藤−メルニコフの右サイドが十分生かせないまま。
 そして2連敗を告げるホイッスルがフィールドに鳴り響いた。
 パハンは代表ストライカー、インドラ・プトラ・マハユディンのハットトリックにより、マラッカ・テレコムに3−0で完勝。ペナンは、勝ち点12でパハンと並んだが、得失点差で3位に落ちた。
 試合後、伊藤の口から「最悪だった」という言葉が漏れた。
 最下位とはいえ、8チームのスーパー・リーグでは実力が伯仲していることを思い知らされる結果だった。
 ペルリス戦での敗戦で「首位のチームでもあんなものか」という感想を持った伊藤には、違いすぎる負けの重みだった。
 そしてポジション的に他の2人の外国人選手よりも運動量が大きい伊藤に疲労の陰がのしかかっていた。しかし、プロとしてそれを口に出来ない。
 「次戦までは1週間の間隔があるから、(この試合のことは)早く忘れる」
 
 我々には見守ることしかできない。
 

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