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3バックを切り刻んだ伊藤の2得点 – アサ・ネギシのページ/Music Raja
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マレーシア・ライターの見聞録

3バックを切り刻んだ伊藤の2得点

 先週12日(土)のサバ戦での伊藤選手の活躍について本人の話を聞けたので、定例のレポートを。
 マレーシア・サッカー界は4月8日から20日までジェッタで行われるイスラム諸国会議機構(OIC)大会に照準を合わせ、代表選考合宿に入った。ペナンからはGKのアズアン・オスマン、MFのS.ナンタクマールとマット・サイフル、FWのファイサル・エサハールらが召集され、疲労が溜まっている状態。元代表キャプテン、MFトゥンク・ハムザンが召集されていないところにハンガリー人の代表監督ビスケイの世代交代の意図がうかがえる。
 やはりマレーシアでも代表とクラブの駆け引きがある。リーグ戦のほかにアジア・サッカー連盟(AFC)杯を戦うパハンとペラは、なかなか選手を出したがらない。代表に選ばれたい選手は、どうしても全力を出してケガなどのリスクを負いやすい。チームとしても「ほどほどにやれ」とは言えない。
 どこのサッカー界でも同じだが、17日以降リーグは5週間のブランクを作るほどOIC大会に賭けていることがわかる。17日の試合以降、代表の面々が固まっていく。
 ペナンは、第2ラウンドの初戦サバとコタ・キナバル、リカス・スタジアムでの対戦。  ペナンは開幕戦サバと対戦し、3−0と完勝している相手。伊藤選手も開幕最速6分デビューゴールを含む1得点1アシストと相性がよい相手。サバは今季ペルリスに0−5の大敗を含む3連敗でスタート。サバはスーパー・リーグ唯一の東マレーシアのチームでアウェイの移動の負担が大きい。しかし、プリミア・リーグ時代でも情況は同じであったし、80年代後半は強豪で鳴らしたチーム。言い訳にはならない。
 大乱調の3連敗後は2勝1敗1分の成績で建て直し、第2ラウンドに復調を賭けている。
 試合はペナンが21分、伊藤の左からのロングシュート先制。
 サバはリーグで唯一3バックをとるチーム。開幕戦での失敗の教訓もない3バックは、ペナンの敵ではなかった。45分にはFWファイサル・エサハール、47分にはブラジル人MFバレトがゴール。
 伊藤いわく「マークの分担も連携も改善されないままだった」というサバの3バックのDFは、ザルの目のようにゴール前のスペースを空けてしまう。そうなれば、2列目からの飛び出しを持ち味とする伊藤の格好の餌食だった。69分にも相手GKに弾かれたバレトのシュートを前線に詰めていた伊藤がゴールに押し込んだ。
 試合は4−0でペナンが圧勝。ここ3試合で勝ちに恵まれなかった停滞した雰囲気を一掃する勝利だった。
 伊藤にとっても3バックに固執するサバの監督の采配は、明らかに稚拙に思われた。
 試合後、サバのポルトガル人監督ホセ・ガリドは、同州サッカー協会に辞任の要請をしたが、後任がいないことを理由に留意させられた。
 
 ガリドの目には、伊藤の姿が悪魔に映ったに違いない。
 ペナンはこの勝利により、得失点差でパハンを上回り2位浮上。
 サバは、とうとう最下位にまで順位を落とした。

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