宮之浦岳に挑む

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 屋久島宮之浦岳登山を終え鹿児島から戻って以来、体調を壊してしまいましたが、やっと復調してきました。
 宮之浦岳登山に関しては、詳しくはワタルのレポートもぜひご覧ください。さすがに「日本の名山」を書き下ろした専門家だけあって、とってもうまくまとめてもらっています。
 それにしても、鹿児島に入ってから発つまでの一週間、珍しく晴天続きだったことには感動すらおぼえました。特に、鹿児島入りした15日から屋久島滞在の17日までは、雲一つない秋晴れ。雨男ならぬ「嵐を呼ぶ男」(ふ、ふる…)にとって、めったに見ることのできない突き抜けるような青空でした。


屋久島フェリー「トッピー」乗り場から臨む桜島

 往路の飛行機からパノラマのように映し出される霧島連山・桜島・開聞岳に、磯庭園から臨む桜島。倒れそうになりながらも登頂した宮之浦岳頂上から見渡す荘厳な雲海、今にも手が届きそうな大川の滝。タイムスリップしたかのような原生林や、天の川のごとく細かい星をまき散らしたような海岸線。
 自然を堪能するに充分過ぎるほどの旅でした。
 さて、今回の主目的である宮之浦岳。
 初登山の僕にとって、山に挑むということがこんなにも困難なことかと思い知らされた一日でした。なにせ、最初の10分で「はたして生きて帰れるんか??」と、くじけそうになるくらいでしたから…。
 登れど登れど頂上は見えてきません。視界が開けたかと思えば、また下り。いったい、いくつの峰を越えたのか。ラスト30分は、気合いだけでどうにか山頂にたどり着きました。
 頂上でワタルが作ってくれたインスタントラーメンの、なんとうまかったこと!
 しかし、地獄は下山時に口を開けて待ちかまえていました。山登りは下山の方がきついことは知識として認識してはいたのですが、これほどまでに辛いとは考えてもいませんでした。
 とにかく、ヒザがいうことを聞いてくれない。少しでも曲げると激痛が走る。最初は右足だけだった痛みも、途中から左足にも転移し、一歩を踏み出すことすら躊躇してしまいます。しかし、生還するためにはヒザを使ってなんとしても歩かなくてはならない。ストックに全体重をかけ、場所によっては身体の向きを変えて地面に這いつくばりながら、ヨチヨチ歩きで進みます。無様な格好と思いながらも、そうしなければ前へ進むことができないんです。
 予定時間を軽く2時間オーバーし、やっとの思いで登山口に戻った頃には、完全に日は落ちていました。


宮之浦岳頂上より眼下を臨む

 リーダー兼ガイド役のワタルと、ずっと静かに見守ってくれた徳さんがいてくれなかったら、絶対に不可能な登山でした。文句一つ言わず、カメのような僕のペースに合わせて歩いてくれた二人には心から感謝しています。本当に、ありがとう。

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いざ屋久島!

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 明日から一週間ほど、鹿児島に戻ってきます。

 今回の主な目的は屋久島登山。標高1936mの、九州一高い宮之浦岳に挑みます。
 小学校の修学旅行(霧島の高千穂)以来、登山らしい登山はやったことがありませんが、屋久島はぜひ一度訪れてみたいと思っていた島です。
 ずいぶん前から、AISA社長のワタル氏と「いつか屋久島に行きたいなぁ」みたいな話をしていたんですが、先日飲んでいたときに、「んじゃ、この10月に行こう!」と酒の勢いで話がまとまり、その場で航空券を予約。無事(?)実現の運びになりました。
 これに、昔からお世話になっている「しらとく邦楽器」の徳さんもぜひ行きたいということで加わり、三人での珍道中になります。
 15日夕方に屋久島着、翌16日に登山、17日に鹿児島市内へ戻ります。
 それ以降は、また友人連中との飲ン方(飲み会)三昧っす。
 しかし、一番の心配は、なんといっても雨、、、。
 とてつもない雨男どころか台風まで呼んでしまう僕としては、今回だけはなんとか食い止めたいところですが…。あとの二人が極端な晴れ男なので、どうやら今のところはおさまりそうな感じですが、これで鹿児島に着いた途端に雨になったら、何を言われることやら…。

 ということで、また来週〜。しっかり桜島と西郷どんに挨拶してきますねー。

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昭和の名優逝く

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 実力派名優、緒方拳さんが逝きました。
 僕が最も好きな俳優の一人です。
 以前このブログにも書きましたが、NHK大河ドラマ「風と雲と虹と」で、加藤剛さんとのダブルキャスト的な名演で初めて緒方拳さんを見たとき、役者さんってすごいと思いました。
 緒方拳さんは、ご存じのように「源義経」「復讐するは我にあり」「楢山節考」「火宅の人」「おろしや国酔夢譚」「瑠璃の島」等、数えられないほどの映画・ドラマに出演されました。出世作「太閤記」や「鬼畜」の名演はだれもが知るところですが、僕が一番衝撃を受けたのは、「破獄」というNHKの単発ドラマでした。
 捕らえらても捕らえられても脱獄を繰り返す主人公。捕縛されるとあっけないほど素直に縛につき、さらに厳しい監獄行きになるのに、また脱獄を繰り返す。手枷・足枷をされても、口に含んだ味噌汁を少しずつ垂らして枷を錆びさせ、脱出不可能な極寒の収容所も、巨大な虫のように壁を這いつくばり、また脱獄する…。
 脱獄してシャバに戻るのが目的ではなく、脱獄すること自体が生きる目的でもあるかのようなその主人公を、鬼気迫る演技で、すさまじくも見事に演じていました。偶然に見たドラマだったのですが、緒方拳さんの顔や目がまぶたの奥にこびりつき、ある種の怖さも感じ、長年経った今でも忘れられません。
 昭和の名優が、次から次へ逝ってしまいます。なんとも哀しいことではありますが、今は緒方拳さんのご冥福を心からお祈りするのみです。

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