『ミャンマーの柳生一族』
 集英社文庫、2006年

 探検部の先輩・船戸与一と取材旅行に出かけたミャンマーは武家社会だった! 二人の南蛮人に疑いを抱いたミャンマー幕府は監視役にあの柳生一族を送り込んだ。しかし意外にも彼らは人懐こくて、へなちょこ。作家二人と怪しの一族が繰り広げる過激で牧歌的な戦いはどこへ…。手に汗握り、笑い炸裂。椎名誠氏が「快怪作」と唸り仰天した、辺境面白珍道中記。
 著者から一言
 第11作目。最初は軽い短編旅行エッセイのはずが膨張を重ねて一冊の本になってしまった。表紙の仰々しい題字は、ドラマ「必殺仕事人」の題字を書いた書家・糸見渓南氏に「あれと同じ感じでお願いします」と無理やり頼んで書いてもらった。
 書評など
「明快で鋭い視点は、冒険家である著者が最もこの国の実態を体感している一人だからであろう」
(「読売新聞」2006年4月9日)

「エンターテイメントとして自立させんとする著者の努力の甲斐あって読者を飽きさせない」
(奥泉光「朝日新聞」2006年4月17日)
「大胆かつ本質を突く発想にうなった。著者の軽妙な筆致に笑わせながら、読み終えるとミャンマー現代政治史の概略が頭に入っているという優れたノンフィクションでもある」
(朝日新聞(広島版)5月11日)