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動物園、真冬の見どころ

今年も残すところ、あと数時間。
大晦日のビールタイムに入る前に、2015年最後のブログ更新。

毛布マド

今年の秋に出版した『動物翻訳家』は、環境エンリッチメント(動物のQOLを向上させる取り組み)を基盤にした動物園の飼育現場にせまったノンフィクション。
取材したのは4つの動物園だ。

寒さが厳しいここ数日、動物園に行こう!という気分になる人はおそらく少数だろう。
でも真冬だって動物園は絶賛営業中だ。
なかには元旦からやっているところもある。

各園では、新春らしいイベントが盛りだくさん。
そんなわけで本書に登場する動物園の見どころ、取材動物以外で個人的にツボった動物などについて紹介したい。

まずは茨城県の「かみね動物園」から。
新年は2日から営業。
キャッチフレーズの〝太平洋が見える動物〟のとおり、園内高台にあがると真っ青な海原が広がる。
それだけで清々しい気持ちになること間違いなし。
真冬の太平洋エリアは晴れ率が高い。
午前10時くらいになれば園内に燦々と陽光が降り注ぎ、動物たちもホンワリ緩んだムードになる。

特にその恩恵を享受しまくっているなぁーと思うのが、ワオキツネザルたちだ。
太陽にむかってお腹全開。
まるで「太陽、こっちこーい!」と言わんばかり。
集団で四肢を広げる姿を初めて見たときは、その弛緩しまくった姿に圧倒された。

二番目は「埼玉県こども動物自然公園」
最寄りは池袋から東部東上線・急行で50分の高坂駅。
ここは過去にも複数エンリッチメント大賞を受賞したことがある。
ナマケモノがせっせと目の前を移動していることを見せてくれたり、ここならではの展示が多い動物園。
とはいえ寒さが苦手は動物は、ひたすら丸くなっていることも。

そんななか、冬ならではの見どころはカピバラ温泉だ。
カピバラは年功序列。
最初に湯船に入るのは、年かさのいったカピバラたち。

IMG_2351

順番待ちをする若者たちは、湯船の前に設置された打たせ湯で暖をとっている。

IMG_2358

この展示は天気の悪い、寒い日ほど見応えがあるのがポイント。
来園者は専用の観察部屋から、寒風を避けながらみることができるのも嬉しい。
暖かい飲み物を準備して、ゆっくり観察したい。

ちなみに湯冷めしないかいつも心配になるのだが、人間と違って汗腺がない動物はそのかぎりではないとのこと。

そしてお次は「京都市動物園」
ここは大規模な改修工事を終えてグランドオープンしたばかり。
新年2日、3日は、来園者全員に干支にちなんだカレンダーをプレゼントと大盤振る舞いなのだ。

各動物舎はピカピカで、それぞれ動物と来園者のために趣向が凝らされているはず。
(グランドオープン後は未訪問なので)
そんななか取材当時から気になっていたのは、フェネックの動物舎だ。
砂漠に生息する世界最小のキツネといわれる彼ら。
大きな耳が特徴で個人的にも好みというのもあるけれど、担当者による環境エンリッチメントの取り組みに愛とそこはかとないユーモアを感じてしまう。
担当者に取材をしたわけではないので詳しい話はわからないのだが、体重計を彼らの安心コーナーにしたうえ計測結果を同時公開するセンスに、なんだかジワジワとくるのだ。

最後の山口県の「秋吉台サファリランド」は、なんと元旦から営業。
ここはその名のとおり、オープンな状態で展示されている動物と出会えるコーナーが多いのが魅力。
本書で書いたアフリカハゲコウのフリーフライトなどは、この環境があるから出来たのだなぁと思うのだ。
もちろん真冬だって、雪が降っても公開中。

DSC_0100


本書内のことにはふれない予定でしたが、ほかの動物園にくらべて交通の便が不利なので特別に冬バージョンを紹介。

新年からのイベントは盛りだくさんなのだが、ここならでのものはホワイトライオンのエサやり体験だろうか。昨年の写真が公開されているが迫力満点だ。

いつもと違う新年を迎えたい方、動物園いかがでしょうか♪


2015/12/31 | アレコレ, 犬と動物

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