SAMURAI 7

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 最近ハマっているテレビアニメがある。幼い頃がアニメの宝庫で、放映されるあらゆるアニメを楽しみにしていた世代だが、さすがにこの年になると、と言うか、いい作品に巡り会えずと言うか、なかなか縁遠くなっていた。
 それは、金曜日の深夜0:30からNHKで放映中のSAMURAI 7だ。新聞を見ていて偶然見つけたんだが、「また〜、どーせ七人の侍のパクリだろう?!」くらいで、かなりいい加減な気持ちで見てみた。案の定七人の侍のアニメ版だった…。
 絵的には当然今っぽいし、全体にゲーム感覚のタッチが流れているので、「七人の侍フリークとしては許せん!」という気持ちだったんだが、見ているうちにどんどん引き込まれて、気がついたら虜になっていた。
 なにがおもしろいって、時代背景・キャラクター設定・戦闘シーン等はむちゃくちゃSF冒険活劇なのだが、実に細かい部分まで七人の侍を研究しつくしていること。七人の名前はもとより、あちこちに散りばめられた名セリフもそのまま採用してる。
 僕の中で一番印象的なセリフは、村が野党に襲われ、水車小屋に村人が集まって善後策を話し合っているさなかの長老の一言「やるべし!」だ。このセリフをそのまま、しかも光のアングルとか、コマ送りとかも全く同じような設定の中で、妖しげな長老が口にした。
「…やるべし!」
 この場面を見た時は、腰を抜かすほどにブッとんだ。が、それから、よ〜く気をつけて見ていくと、百姓が宿泊していた馬小屋や、そこをねぐらにしていた博徒とのやりとり、町を行き交う浪人の面体・持っている武器など、非常に細かい部分まで七人の侍そのままに活写しているのがわかってきた。
 もちろん、キャラ設定も踏襲している。
 リーダーの勘兵衛は沈着冷静。しかも剣さばきは抜群だ。人質に捕られた幼子を救うシーンも、もちろんあった。
 「薪割り流を少々…」と登場するムードメーカー平八は、ちゃんと茶屋の裏で薪割りをして登場するし、若武者=勝四郎はクソマジメで若い女性と恋に陥るキャラとしてそのまま描かれる。
 笑うのは、三船敏郎扮する菊千代だ。キャラ的にはそのまま豪放磊落だが、なんとロボットの侍だということ。どこからか盗んできた家系図をこれ見よがしに披露するシーンも、もちろんある。
 剣豪=久蔵は非常にかっこいい描かれ方をしており僕も大好きなのだが、SAMURAI 7では一風変わった登場をするようだ(たぶん次回くらいじゃなかろうか)。
 補佐役の五郎兵衛だけは、七人の侍というよりは、その西部劇版=荒野の七人のヴィン役=スティーブ・マックイーンのキャラとダブる。と言うか、マックイーンそのものだ。
 たしかに描写的に完全に今風なのだが、根底に流れている「七人の侍」魂は生かされている。まだまだ始まったばかりだが、最終的にどこにテーマをもっていくのかで、このSAMURAI 7の評価が分かれることになろう。
 僕は、世界的な名作である七人の侍は、そもそも水滸伝がモチーフになっているのではと思えて仕方がない。一人ないし複数のスーパーヒーローの活躍を描くのではなく、個性の違うキャラが集まり、権力や暴力・不条理に立ち向かっていくという思想・概念は、水滸伝そのものだ。この件についてはまた別カテで詳しく触れるが、それも含めてSAMURAI 7。単純に、見ていておもしろい。七人の侍フリークとしては、かなり楽しめる作品だと思う。

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