もちろん、楽曲やアーティストによって上記の順番はめまぐるしく変化しますが、基本的にはこんな感じです。通常、1日1曲を目安に作業しているので、午前中に7の段階までくることができたら60%は終了したようなもの。その日の午後は気分的にけっこうラクです。
ただ、最近では2日に3曲、あるいは3日で5曲、場合によっては、1日5曲(?!)という無謀なペースでやるようになったので、どこで一息入れればいいかわからなくなりました(^^ゞ。
バンドスコアでメインになるのはやはりギターセクションで、一番時間をとられると思われがちですが、ベースやドラムスが終われば、どんなに難解な楽曲でも比較的容易に進められます。というのは、
a.ベースが決定すれば、コードの90%は確定できる。
b.ドラムスが決定すれば、基本リズムパターンが確定できる。
からです。
aについては、ポピュラー音楽の場合、ルート音上で調性が確定しますので、ベース音がとれればメジャーかマイナーかの見極めだけで、ほぼすんなりコードがつかめます。
ルート指定コードも、そのキーで使うダイアトニックコードの中で用いることがほとんどなので、慣れれば音で確認しなくてもすぐにわかります。あとは7th・6th・sus4やテンションなどですが、これらはギターやキーボードを採りながら追加していきますので後回し。ディミニッシュとm7(-5)の違いも、コード上では7度の音程とその前後のコードとの関わり合いの判断なので、後回し。
まぁ、特にコードネームを表記しなくてもベースパートを見ればいいことですが、コードネームそのものを見ながら譜面を追いかけるのが習慣になっていますので、この段階で大まかにふっておきます。
bに関して「なぜドラムスのパターンが?」と不思議に思われるかもしれませんが、キックのリズムパターンは最重要で、これが割れればベースの基本リズムもわかり、ギターのバッキングパターンにもつながります。特にロック・パンク・スラッシュ系の楽曲では、歪み系の音色をあえて分離させず、まさに「音の固まり」としてミックスされていることも少なくありません。こういう場合、ギターは8分で刻んでいるのか16なのか、あるいいはシンコペしているのか単純なアクセント打ちなのかは、案外聞き取りにくいもので、このとき手がかりになるのがキックのパターンだったりします。キックのリズムを休符でヌイていると、そこにシンコペをからめてストロークしている場合が多々あるからです。
音の固まりだからといって、単純な8分刻みとして譜面にすると、たしかに音としてはそう聞こえるかもしれませんが、バンドで再現したときのノリがまるで変わってきます。譜面としては、コードやポジションが合っていればそれでOKということではない、ということです。
これまで、いろんな作業方法を試してきましたが、今は上のような実にシンプルな環境に落ち着いています。
作業の流れは、以下の通りです。
1.音源のデータをMacに取り込む。
2.Logicを立ち上げ、取り込んだ音声ファイルをAudioトラックに読み込む。
3.取り込んだ一本の音声ファイルを、作業しやすいように小節単位でマーカーを刻む。
4.曲全体の構成を把握し、同時に楽器編成・テンポ・キー・各楽器のチューニング・ビート等を確定する。
5.Logicを走らせながら実際のコピー作業に入り、原稿用紙にまとめていく。
6.全体を校正し、1曲分を綴じて完了。
実際のコピー作業は5の部分ですが、1〜4の段階も非常に重要で、特に4がしっかりしていないと、最終的に原稿として成り立たない譜面になってしまいます。たとえば、速いテンポ(おおむね四分音符=180〜200)での8ビートなのか、半分のテンポでのイントゥーなのかといったビートの判断を誤ると、全体のページ数も半減することになるので、印刷・製本といった出版行程の全体の流れ、はては予算組みから納期まで変更しないといけなくなります。
まぁ、単純に「この曲のこの部分をコピーしたいから」という方がほとんどだと思うのでそんな心配までは要らないのですが、それにしても曲の基本ビートやチューニング等を把握するという作業は、音楽的に重要なことです。
音を探る際の楽器ですが、今は音源類をすべて撤去して、LogicにバンドルされているSoft Synthで対応してます。通常1曲につき1ファイルを使い、1〜2トラックに音声ファイルを立ち上げ、3トラック以下に各楽器の音色をアサインしています。ほとんどのパートはエレピ系の音色で対応しますが、ベースとアコピ・ハーモニカ・ブラス関係は、それぞれ専用の音色を立ち上げて探っていきます。
Logicは、各ウインドウの構成をテンキーで即座に切り替えられので、メイン構成としては、上のようにモニター2台にそれぞれウインドウを立ち上げ、音量レベルを調整しながらシーケンス状態も直感できるように設定しています。
一般的にコピーする場合は、もちろんここまでの環境は必要ありません。僕も「ラジカセ+ギター」だけでコピーするところから初めて、少しずつ整えていったんですから。