イントロダクション

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 僕は、作曲・アレンジ・演奏をするかたわら、「Score Analyzer」という一面も持っています。ミュージシャンを目指す人だったら一度は楽器店で目にしたことのある「バンドスコア」や「ギター弾き語り集」を制作しているんです。「Score Analyzer」は、簡単に言ってしまえば「耳コピの専門職」です(勝手にネーミングした職種ですが…)。
 どんな楽器でも、一番最初はプロの演奏やCDを聞いて、同じように演奏できるようにコピーすることから始めます。「どうやって演奏してるんだろう?」という疑問からすべてが始まるんです。このコピーこそが、ミュージシャンへの第一歩であると断言してもいいくらいでしょう。
 僕は、これまで数え切れないほどの楽曲をコピーしたりアレンジしてきました。そういう見地から、耳コピの方法やコツ、あるいは「楽譜とはなにか」までを、バンドスコアの制作現場からお届けしようと思います。これからプロのミュージシャンを目指したいと思ってる人はもちろん、楽器はやらないけど聞くのは好きだという人にとっても、わかりやすく興味深い内容にしようと思ってますので、ご期待ください。
 では、まず現在の作業環境から紹介します。

デスクトップ全体像
・Machintosh:Powew Mac G4/1.25G(single)/2G OS 10.3.9
・Main Monitor:Apple Studio Display(17inch)
・Sub Monitor:Sony SDM-X73(17inch)
・Keyboard:M-AUDIO/KEYSTATION 49e
・Software:Logic PRO 7.1.1
Main Monitorの拡大


Sub Monitorの拡大

 これまで、いろんな作業方法を試してきましたが、今は上のような実にシンプルな環境に落ち着いています。
 作業の流れは、以下の通りです。
1.音源のデータをMacに取り込む。
2.Logicを立ち上げ、取り込んだ音声ファイルをAudioトラックに読み込む。
3.取り込んだ一本の音声ファイルを、作業しやすいように小節単位でマーカーを刻む。
4.曲全体の構成を把握し、同時に楽器編成・テンポ・キー・各楽器のチューニング・ビート等を確定する。
5.Logicを走らせながら実際のコピー作業に入り、原稿用紙にまとめていく。
6.全体を校正し、1曲分を綴じて完了。
 実際のコピー作業は5の部分ですが、1〜4の段階も非常に重要で、特に4がしっかりしていないと、最終的に原稿として成り立たない譜面になってしまいます。たとえば、速いテンポ(おおむね四分音符=180〜200)での8ビートなのか、半分のテンポでのイントゥーなのかといったビートの判断を誤ると、全体のページ数も半減することになるので、印刷・製本といった出版行程の全体の流れ、はては予算組みから納期まで変更しないといけなくなります。
 まぁ、単純に「この曲のこの部分をコピーしたいから」という方がほとんどだと思うのでそんな心配までは要らないのですが、それにしても曲の基本ビートやチューニング等を把握するという作業は、音楽的に重要なことです。
 音を探る際の楽器ですが、今は音源類をすべて撤去して、LogicにバンドルされているSoft Synthで対応してます。通常1曲につき1ファイルを使い、1〜2トラックに音声ファイルを立ち上げ、3トラック以下に各楽器の音色をアサインしています。ほとんどのパートはエレピ系の音色で対応しますが、ベースとアコピ・ハーモニカ・ブラス関係は、それぞれ専用の音色を立ち上げて探っていきます。
 Logicは、各ウインドウの構成をテンキーで即座に切り替えられので、メイン構成としては、上のようにモニター2台にそれぞれウインドウを立ち上げ、音量レベルを調整しながらシーケンス状態も直感できるように設定しています。
 一般的にコピーする場合は、もちろんここまでの環境は必要ありません。僕も「ラジカセ+ギター」だけでコピーするところから初めて、少しずつ整えていったんですから。

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