東京マグニチュード8.0

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 いつのまにやら三ヶ月ぶりになってしまった。。
 この夏は、いわゆる夏日が少なくはっきりしない日々が続いたように思う。それより、地震の頻発が印象に残った。
 息子の夏休み中は、毎朝早起きして一緒にラジオ体操をしていたが、ある朝、聞いたこともないようなヘンな音がラジオから鳴り響き、体操の中継を遮った。町内会仲間の一人はその音の意味を知っていたらしく「すぐに大地震がくるぞ」と、一瞬にして神妙な顔つきに変わった。
 幸い、システムの不具合が原因だったらしいが、関東圏にはいつ大地震が起きても不思議ではない。
 地震と言えば、木曜深夜に放映中の「東京マグニチュード8.0」
 この時間帯にテレビを見るのはまれだが、偶然に出会ったこのアニメ。なんというか、感動を大きく逸脱し、とても文字では表現できないほどの苦しさ・切なさ・痛さを感じる番組だ。
 そして、「家族とはなにか」を心の奥底からえぐり出されるように痛切に考えさせられる。
 反抗期を迎えた主人公の女の子が、無邪気にはしゃぎ回る弟をいやいやお台場に連れて行くことになり、行き先で大地震が起きる。壊滅する東京都。倒壊する東京タワー。沈みゆくレインボーブリッジ…。
 そして姉弟は、途中で知り合った女性に助けられながら、時にはケンカし時には助け合い、少しずつ自宅を目指す。はたして無事に家までたどり着けるのか…。
 というのが大筋のストーリーだが、精緻でリアルな描写とシンプルで素直な人物タッチが、心の奥底まで染みこんでくる。特に、純粋無垢な弟「悠貴」のあどけない表情が胸を打つ。昨夜放映された、「おねえちゃん、あのね」というタイトルを見ただけで、もう涙があふれてくる。
 大地震というテーマ自体、現実的であるからこそ重いのだが、毎回このアニメを見たあとは茫然自失になり、しばらくは寝付けない。
 来週はいよいよ佳境になる。しかし、楽しみという域を越えて、見るのが怖い──恐怖というのではなく、あまりにも辛すぎる結末になるのではないかという不安感に近い感情──と初めて感じる番組だ。
 機会があったら、もう一度最初からじっくり見てみたい。

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