まさに、ラウルとシェフチェンコの一騎打ち、攻撃の応酬で息をもつかせない試合になるのでは、と大いに期待していたのですが、ふたを開けてみると一方的なゲーム展開に終始してしまいました。
永遠の優勝候補と言われて久しいスペインですが。その汚名を返上してあまりあるゲームでした。得失点差4というのは予選リーグ第1節で最多ですが、それ以上に充実したサッカーだったと思います。細かいパスでどんどん上がっていくし、連携も申し分なく、決定力もあります。
今大会こそは無敵艦隊大進撃、と予感させる試合展開でした。あと、PKも今大会初でしたね。
ウクライナは、ポジショニングが良くありませんでした。攻撃の時はボールを持つ選手以外のコマが少なく、逆に守備に回ったときは、人数が足りないために相手をフリーにさせてしまう場面が多かったですね。それと、カウンターを得意にしているはずなので、一挙に駆け上がってもいいと思うんですが、それができないのは暑さのせいだったのでしょうか。一人退場になってしまったのは大きいとは思いますけどね。
シェフチェンコというヒーローがいるし、期待していただけに残念です。
両チームとも日本と因縁があるチームなので、そういう意味では注目していました。しかし、特にずば抜けたタレントがいるわけでもなく、特徴的なサッカーをするわけでもないので、なにげなく見ていました。ところがどっこい、予選リーグ第1節のラストにして、壮絶なドラマをみせてもらいました!
サウジアラビアは、前大会で屈辱的な敗退をしているだけにほとんど期待はしていませんでしたが、後半に1点目をとってから生き返ったようにアグレッシブになっていきました。さらに、ジャバーの逆転弾。ベテランにふさわしい、非常に感動的な瞬間でした。
ちなみに、かつて日本チームの前に立ちはだかった厚い壁=デアイエがチラリと映りましたね。なんか、懐かしい気がしました。
チュニジアは、ジャジリのボレーシュートは凄まじかったですね。この得点のあとしばらくは動きが良かったんですが、後半は追いかけられてどうしようもないという感じでした。それと、ガラ空きになってピンチを招いたシーンも多々ありました。攻撃を意識するあまり、最終ラインをあげすぎたのかもしれません。
このまま逆転負けだと、おそらく世界中のほとんどが思っていたでしょう。ところが! あのロスタイムでの同点弾。ほんとにサッカーはなにがあるかわかりませんね。
このグループは、スペインが文句なく上位進出確定でしょうが、サウジとチュニジアはわかりません。ウクライナも、システムをもう一度見直してくると復活の可能性はあるので、グループC・Eに次いで混戦かもしれません。ん〜、…復活を信じて、スペインとウクライナにしておきましょう。