先週末は、来季のF1参戦でモータースポーツで知名度アップを目論むマレーシアにとって嬉しいニュースが続いた。
まずは、実質マレーシア・チームとなる名門ロータス・F1のドライバー候補として名が挙がっているファイルズ・ファウジ(Fairuz Fauzy、27歳)が、参戦中のワールド・シリーズ・バイ・ルノーが先週末に行なわれたスペインの最終戦で、シーズン総合2位を決めた。
ファイルズは、07年に当時のスカイパー(現フォース・インディア)のテスト・ドライバーとして、マレーシアで2人目のF1ドライバーとなったが、正ドライバーへの昇格は果たせなかった。
その当時から約3年、F1のひとつしたのカテゴリーGP2のアジア・シリーズと国別対抗フォーミュラA1GPで優勝を経験し、力をつけてきた。今季参戦したワールド・シリーズ・バイ・ルノーは、格的にはGP2と同等のカテゴリーであり、05年に同シリーズで総合王者に輝いたロバート・クビサはF1に昇格し、トップ・ドライバーの一人に成長している。
ファウジの総合2位獲得は、マレーシア人ドライバーが欲しいという状況に頼らず、実力でF1ドライバーの地位を引き寄せた観がある。
もうひとつは、先に行なわれた2輪ロード・レース選手権モトGP・マレーシア戦の125ccカテゴリーで、スポット参戦した地元ライダー、モハマド・ズルファミ・カイルディン(Mohd Zulfahmi Khairuddin、18歳)が、イタリアのOngetta-ISPAチームから獲得のオファーがあったというニュース。
マレーシアは、F1よりもずっと長い、1991年からモトGP(当時はWGP)の開催歴があり、00年から02年まで250ccカテゴリーには、シャロル・ユージ(Shahrol Yuzy)という先駆者ライダーが参戦していた。
再びシャルル・ユージに続くマレーシア人ライダーを輩出しようとプロジェクトが立ち上がり、マレーシア戦にスポット(1戦のみの)参戦権を取得。シャルル・ユージが今度は、監督という立場で、参戦を目指しす有力若手ライダーの選定が行なわれていた。
結果的にズルファミとエリー・イジリアニザール・イリアス(Elly Idzlianizar Ilias、25歳)が参戦し、決勝でそれぞれ20位、16位という結果を残した。ちなみに今季スポット参戦したライダーで、20位以内の結果を残したライダーはなかったという。
Ongetta-ISPA・チームは、ズルファミに対し、来季スペインの国内選手権の参戦をオファーしている。また、オファーはいわゆる資金持込を課するものではないという。
さらにロータス・F1チームの大口資金源であるエア・アジア社のトニー・フェルナンデス氏は、来季モトGPにもマレーシア・チームを誕生させる計画があることも明らかにしている。