仙台滞在記・言いにくい需要は外部から!
火曜から土曜までは仙台に滞在。
主な目的は現地で被災した高齢の叔父叔母の復興支援と、
被災動物や飼い主さん事情の取材のふたつ。
叔父叔母は、大きな被害が出た若林区在住だったが、
海岸から遠いエリアなので屋内の整理がつけば生活はひとまず安定。
近隣を歩いても家屋や道路などに目だった被害は見られなかった。
それでもガソリンスタンドには2〜3時間待ち、
コンビニはオープンしているところでも棚はガラガラ。
水やパンはひとり1個のみ販売。
仙台駅近くの路地に行列ができているので何かと思ったら、
自販機の前でタバコが手売りされている。
タバコはどこも売り切れで入荷未定の表示ばかり。
商品補充する暇もなく、たちまち行列ができてしまったみたい。
それでも状況は刻々と改善している。
火曜日には買えなかった乳製品なども、
土曜日の朝には個数限定とはいえ手に入っていた。
叔父叔母の生活が想像以上に安定していたので、
到着翌日、以前に取材をした仙台市動物管理センターを訪ねてみた。
愛護担当獣医師Kさんに再会。
震災発生時から今までの経緯を聞いた。
耐震用の施設なので建物には被害はなかったけれど、
河川が近くで水がセンター間際までせまった。
そのため電気、ガス、水道、通信すべてストップ。
ガソリンが手に入らず数日間は孤立状態に。
職員が知恵と工夫を結集させて保護動物を世話し続けた。
昨年に取材したとき、仙台市動物管理センターでは震災発生を想定して、
飼い主とペットは同行避難などを徹底させる準備をすすめているところだった。
でも発生は予想よりずっと早かった。
震災発生後はしばらく管理センターの機能は停止したまま。
センター職員が市健康福祉局に所属するため、
被災者の遺体確認などに対応する必要があったのだ。
非常事態のなか動物救済は口にしにくい雰囲気。
それでも救援組織も立ち上がり、ようやく3月23日頃から本格始動。
震災以降、センターでは十数頭の犬猫を保護。
市民から寄せられた「失踪動物」の問い合わせは、
訪問時に犬だけで134件にもなっていた。
一部は再会を果たしたけれど、ほとんどは手がかり無しのまま。
震災後の保護動物は処分対象にしないことに決まっている。
まだしばらくは飼い主からの問い合わせを待つことにしているが、
「いずれは期限を決めて、新しい飼い主を探すことも考えなければ」と獣医師Kさん。
センターのロビーにはドッグフード、ペットシーツが、
きれいに整理して積み上げられていた。
これは同センターに協力している動物愛護団体メンバーが、
震災後に保護された犬の写真をブログにアップしたことがきっかけで、
全国各地から集まったもの。
くらべて猫のフードやトイレ砂などは3月30日時点で不足ぎみ。
市内ペットショップは全体的に品薄状態でフードの大量確保はまだ難しい。
嗜好性の高い猫が喜ぶ缶やモイストタイプの「おいしいヤツ」は特に手に入りずらい。
※※この件は当日夜にツイッターにて情報発信。100以上リツイートされたのでまもなく各地から物資が届くと思われる※※
そのほか中長期的に求められる支援物資はコチラ↓
首輪・リード(大・中・小型犬、猫用すべて:保護動物ほとんど首輪ナシ)
ペットシーツ
折りたたみケージ(被災した飼い主の支援のため)
前例のない規模の災害なので、センター職員にとっても予想できないことばかり。
だから現場には「最善の判断」はあっても「絶対の正解」はない。
何をいつまでにどのようにやるのか?
どのような方法やタイミングで支援を募集すればいいのか??
獣医師Kさんと話していると、すべてを日々手さぐりですすめていることをヒシヒシと感じた。
市内では被災者のための仮設住宅建築が始まっている。
ペット連れで入居ができる可能性について訊くと「まだ未定」とのこと。
通常のにぎわいを取り戻しつつあるように見える仙台だけれど、
若林区の一部では水が引かず、まだ捜索もできない地区もある。
その渦中で「動物のことを考えて」とは口にしにくい空気はまだまだ続く。
でも本当は多くの人が望んでいること。
「ペットと一緒の仮設住宅の入居は実現させたいのですが・・・・」とKさん
当事者から言いにくい需要は外部から! も支援のひとつと確信。
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(社)仙台市獣医師会は、仙台市域での被災動物救護活動を進めるため
3月22日より「募金口座」を開設しています。
振込先口座 七十七銀行扇町支店 普通預金 9049312
口座名 (社)仙台市獣医師会
そして、東京に戻る日。
相馬市でワン3頭とニワトリ4羽をお預かり。
夜、都内ミグノンさんショップに無事お届け。
みんな移動中もオリコウさんだった。
2011/04/03 | 犬と動物
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言い難い需要・・・確かにそうですよね。
この非常事態に、被災した人々が大変なのは、本当に本当にどうにもならない位なのですが、被災した動物も本当に沢山いるんですよね。
私も東北ではないのですが、実家に被害が出たので、どうしてもあの時の健気なウチのワンコと重なってしまい、気になっていました。
少しでも力になりたいと思います。
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しぱいぬさん
ご実家に被害が出たとのことお見舞い申し上げます。
ニュースでは動物と飼い主のエピソードを紹介したものも少なくありませんが、現場では「犬猫を救って」と口に出すのは当事者だけでなく行政も難しいようです。
<ペットの救済=人間の救済>を少しでも広められたらと思っています。
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全く関係無いのですが・・・。
今日、日頃先ず利用する事の無い2つ先の駅に、所用あって降り立ちました。
すると、ふと目がいったホームの壁の広告看板がひとつ。
「ゆかデンタルクリニック」の文字とワンコにイラスト!
しかも、そのワンコはダルマちゃんと同じ色の可愛いダックス♪
「え〜っ!ゆかさんは、作家なだけじゃなくて歯科医でもあるんだ!」と一瞬思いかけましたが、場所柄的有り得ないので、単なる偶然なんですよね(笑
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しばいぬさん
場所的云々でなく絶対あり得ませんって(笑)
きっと院長のゆか先生(たぶん)はかわいいダックスちゃんを溺愛されているのでしょうね〜ホノボノ・・・・。
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災害の時における動物の法律があるのに、守らなかった政府に責任があります。
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わんさん
特に福島については、早期調査がおこなわれていればもう少し違ったと思うのですが。本当に残念です。