本ブログでもリンクしているMYCAT(MalaYsian Conservation Alliance for Tigers)の
2月12日のニュースリリースに興味深い記事が掲載されているので紹介しよう。
「マレーシアのトラはタイガービールより安い…」
先日トラを罠にかけて殺した7人の先住民族の男たちは、どんな罪に問われるのか?
『1972年野生動物保護条例』に従えは、最長5年間の懲役、または最大RM15,000の罰金、
あるいはその両方が適用されることになる。
しかし実際の例では2005年にトラを解体して保持していた男が
罰金RM7,000で釈放されていて、トラの保護動物としての重要性から考えると
非常に軽い罪である。
その一方で今年の1月にRM70相当のタイガービールを盗んだ男が懲役5年を言い渡された。
罪の重さから判断するとマレーシアのトラはタイガービールRM70分より
価値がないことになる。(抄訳というか意訳)
この程度の罪(罰金)なら抑止力がほとんどないだろうというのが実感だ。
マレーシアで死にたいと考える彼の気持は理解できるが、
多くの犠牲者を出したテロリストを迎えることに複雑な心境の
犠牲者家族があることも理解できる。
ここはまあ、外国人が口を出すべきではないだろう。
2006年には彼の生い立ちをベースに作られた「最後の共産主義者 Last Communist」
というタイトルのドキュメンタリー映画が封切直前に公開が禁止された
なんてこともあった。
この映画、出来栄えは正直『?』なのだが(なにしろドキュメンタリー映画なのに
セミミュージカルなのだ!)、タイ側の密林に亡命したマラヤ共産党が
現在もそこでコミュニティを作り、生活を続けているという事実に驚がくした。
ちゃんと共産主義者の2代目、3代目も誕生しているのである。
さてではなぜ密林ジャーナルでこんなニュースを取り上げているかということだが、
実はトシのもっともよく行く本格的なジャングルこそ、かのマラヤ共産党が
根拠地とし、政府軍との抗争が70年代まで続いていたため、商業活動が行われず
その結果どの森林よりもよい生態環境が維持されているBelumという森なのだ。
Chin Pengはこの北部マレーシアの森から国境を越えたタイ側に亡命し
共産主義者のコミュニティを作った。
時代は流れ、共産主義者のコミュニティは、観光客も受け入れているということだ。
非公式には何度もマレーシア国境を突破して入国しているらしいが、余命も短くなり
最期を故郷でゆっくりと過ごしたいと考えているのだろう。
テロリストとして彼が成し遂げた唯一の善行が、Belumを
Belum(まだ〜していないという意味のマレー語)たらしめて
自然保護に貢献したことではないだろうか?
犠牲者の冥福を祈りつつ、そのことは素直に感謝したいと思う。
しかしジャングルの落ち葉に隠れるようにして咲く
こんなショウガ科の花の「はっ」とする美しさも格別である。
山歩きしていて出会う花はなんとも愛おしい。
上の写真は、ぱっと眼にする形。
地面に花弁を広げるようにしている一輪の花、という風情だ。
こちらは少し角度をつけて写した写真で、ふっくらした花房から
花弁が出ているのがわかるだろうか?
そう、花弁一枚一枚が実は一つの花を形成しているのである。
ショウガの花房は粒をとってしまったとうもろこしのような形が多く、
その穴から一つ一つランのような小さな美しい花を咲かせるのである。
この写真の種類はおそらくAchasma Megalocheilosだと思うが
この房がかなり小さくて落ち葉に隠れているので、まるで一輪の花が
地面に咲いているように見える。
ショウガ科の植物は葉の形状が独特なので割合簡単に見つけることができる。
ジャングルでの花さがしにはうってつけの植物である。
ちなみにショウガの花の咲くころ、という特定の時期はなさそうで、
たくさん入ること、それが叶わぬなら、やはり運ということになりそうだ。
ギアナ高地は、ギアナ楯状地ともよばれ、ほぼ垂直に切り立ったテーブルマウンテンが数多く点在する。その数は、100を超えるといわれている。標高の高いテーブルマウンテンは、ギアナ高地内でもエキセボ川の西側に多くあり、ネブリナ(3014m)、ロライマ山(2810m)などがある。エキセボ川の東側のテーブルマウンテンは比較的小規模で標高は1000m以下のものが大多数を占める。
ホームズ物で有名なコナンドイルのもう一つの作品群である
冒険小説の世界でその名を轟かせた
『失われた世界(ロストワールド)』の舞台だ。
実は規模こそ小さいがボルネオ島にも似たような場所がある…
マリオウ・ベイジン(Maliau Basin)がそれだ。
サバ州のほぼ中心部にある自然林で、588㎢が保護林として登録されている。
まるで火山の火口のような切り立った崖(最高部で1600m以上)で囲われており、
長く人の侵入を阻んできた。
一見してカルデラ湖のような形状であるが火山ではなく堆積と浸食作用によって
形成されたと考えられている。
衛星から撮影した画像はこのページにある。
トシはまだ訪れたことがなく、昨年共同研究の覚書を交わしたサバ州の中で
世界遺産のキナバル山より楽しみにしている場所である。
(キナバル山は登頂経験ありだが)
ところが先日表題の見出しで英字紙『The Star』にある記事が掲載された。
魅力的な写真が数枚、なかなか好意的な記事なのだが、その中に気になる箇所が…
この地を管理するサバ財団の環境保全グループマネージャーのコメントだ。
“Our operational focus is research, education, training, and awareness. We are about to embark on developing tourism infrastructure like chalets and resorts in the buffer zone,” Dr Waidi said in a telephone interview recently.
ツーリズムの振興はいい。
だがシャレーとかリゾートを(いくらバッファーゾーンとは言え)
構えるというのは、どう考えても折角のロストワールドをダメにする行為だ。
一般的な意味のツーリズム振興とエコツーリズムとは収益体系が違うのだという
ことを早く理解してもらいたい。
貴重なジャングルは誰でも行ける場所でないからこそ価値があるし
良さが維持されるのだから。
確かに胴体が異様に太いといわれる目撃談からすると
何かを飲みこんだ直後のヘビか、肋骨が開いたトビヘビという
想像が素人なりにできる。
しかし、何か大きなものを飲みこんだばかりのヘビでは
あまたのツチノコ目撃談のように飛びかかってくるような機敏な動きは
期待できない(?)とすると、俄かに『ツチノコ=トビヘビ論』が
浮上してくるではないか!
異論はあるにしても、私も一応理系のはしくれ、明らかに新種と確認できる
死骸(やその一部)などがみつからないというのはそれなりの大きさの
生き物の現存を語るにはやはり厳しいのでは?という頭がある。
とすると、既知の生物の見間違いという意見に気持ちが向かってしまう。
トビヘビが着地した直後で、肋骨がまだ元の位置に戻っていない状態、
というのはそれなりに説得力があるではないか。
トビヘビは日本には生息していないので、別のヘビが肋骨を自在に開くことを
身につけたというのでもよい。肋骨のメカニズム的には開くはずだし。
と、ここまで考えて、体を自在に平べったく出来る別の生き物がいることに気づいた。
ある時、足についた奴らを水に落としたところ、体を平たくして器用に泳ぎ始めた。
え、ヤマヒルもこんな風に泳げるんだ!と驚愕したことをまざまざと思い出したのだ。
やつらが飛ぶことを覚えたら…
群れで飛んできたりしたら…
どうか、飛ぼうなどと考えないでください。
すぐ近くの地面にこんなものが落ちていた。
前記の花ももしかすると受粉終了していて、こんな形で芽を出すのかも?
一部にピンクの花も見える
いろいろなスタイルがあるということなのだろうか。
いずれにしても、僕らの浅はかな先入観は敵だ。
【ワシントン=増満浩志】あばら骨が大きく左右へ張り出した「翼」をもつ新種トカゲの完全な化石が、中国・遼寧省の約1億3000万年前(白亜紀前期)の地層から見つかった。
写真はこちら
完全な骨格という以外、別に驚くことではないように思う。
だって身の回りに結構実物がいるからね。
しかし、1億3000万年前からほとんど変化していないというのは
特筆に価するかもしれない。
ちなみに会社の事務所(4階)の窓のすぐ外にある木では
ここ数日、社員によりかなり頻繁に目撃されている。
もちろんヒルであるが、慌てず騒がず体を点検すると
タイルの上に丸々と太った親指大のヒルがころりと落ちた。
指でつまんでも、満腹状態のヒルは、これ以上餌に興味がないのか、
空腹時のようにやたらと吸着することはなく、おとなしいものだ。
連れ合いはヒルが極端に嫌いなので、
便器の水にポトリ落とすと速やかにフラッシュする。
家庭にヒルは持ち込まない。
ジャングル人の鉄則である。
シャワーを浴びて傷口に触れてみるとまだ血が滲んでいる。
連れ合いにバンドエイドを持ってきてもらい、傷口に貼ってもらう。
その作業中に便器の中をふと見ると、さきほど流したはずのヒルが内壁を
這い上がっているところだった。
白っぽい便器を太った濃褐色のヒルが這い上がる様は
コントラストもあり、薄気味悪い。
しかも動きがかなり速い。
先程のフラッシュ後、ヒルの姿は全く見えなかったので、
おそらくN字型になっている管の内側のどこかに張り付いていたのだろう。
水洗の勢いの中でも吸い付くことが出来るとは
やはり信じられない吸着力である。
と、感心してもいられない。
連れ合いが気がつかずにバスルームを出るのを待って
可愛そうだが、バスタブの横に常備してある
怪我の消毒薬を便器に流し込む。
さしものヒルも、もう上がってこなくなった。
家庭の平安を優先してヒルの命を奪ってしまった。
合掌。
さっと着替えて、水を飲みにキッチンに入ると、
連れ合いがうんざりしたような表情でこういった。
「洗濯機のあるベランダがヒルだらけよ」
…
『私の連れ合いでいる』ということも
それなりに尊敬に値することなのかもしれないと
思った次第である。