生きものが好きだったり、未知の場所へ行きたいと思うような
人だったら一度は『死ぬまでに一度は行きたい場所』リストに入れた
ことがあるだろう場所がある。
それは南米のギアナ高地だ。
Wikipediaによれば
ギアナ高地は、ギアナ楯状地ともよばれ、ほぼ垂直に切り立ったテーブルマウンテンが数多く点在する。その数は、100を超えるといわれている。標高の高いテーブルマウンテンは、ギアナ高地内でもエキセボ川の西側に多くあり、ネブリナ(3014m)、ロライマ山(2810m)などがある。エキセボ川の東側のテーブルマウンテンは比較的小規模で標高は1000m以下のものが大多数を占める。
ホームズ物で有名なコナンドイルのもう一つの作品群である
冒険小説の世界でその名を轟かせた
『失われた世界(ロストワールド)』の舞台だ。
実は規模こそ小さいがボルネオ島にも似たような場所がある…
マリオウ・ベイジン(Maliau Basin)がそれだ。
サバ州のほぼ中心部にある自然林で、588㎢が保護林として登録されている。
まるで火山の火口のような切り立った崖(最高部で1600m以上)で囲われており、
長く人の侵入を阻んできた。
一見してカルデラ湖のような形状であるが火山ではなく堆積と浸食作用によって
形成されたと考えられている。
衛星から撮影した画像はこのページにある。
トシはまだ訪れたことがなく、昨年共同研究の覚書を交わしたサバ州の中で
世界遺産のキナバル山より楽しみにしている場所である。
(キナバル山は登頂経験ありだが)
ところが先日表題の見出しで英字紙『The Star』にある記事が掲載された。
魅力的な写真が数枚、なかなか好意的な記事なのだが、その中に気になる箇所が…
この地を管理するサバ財団の環境保全グループマネージャーのコメントだ。
“Our operational focus is research, education, training, and awareness. We are about to embark on developing tourism infrastructure like chalets and resorts in the buffer zone,” Dr Waidi said in a telephone interview recently.
ツーリズムの振興はいい。
だがシャレーとかリゾートを(いくらバッファーゾーンとは言え)
構えるというのは、どう考えても折角のロストワールドをダメにする行為だ。
一般的な意味のツーリズム振興とエコツーリズムとは収益体系が違うのだという
ことを早く理解してもらいたい。
貴重なジャングルは誰でも行ける場所でないからこそ価値があるし
良さが維持されるのだから。