本欄で時たまマレーシアの服装規範について書いてきたので、今日はどんなものかがわかる(かもしれない?)写真を。
7月6日付のスター紙は、今月3日、ペラ州イポーのナイトクラブで歌っていた歌手シティ・ノル・イダユさん(22歳)が、同州イスラム宗教局に“服装がセクシーすぎる”という理由で拘束されたことを伝えている。(記事はこちら)
何がいけないかと言うのは、“ノースリーブ”だということらしい。
しかし、どう客観的にみても、マレーシア的にみても、「おとなしい」ではないか。ちなみに下もスカートではなく、パンツである。
彼女は、深夜0時を過ぎたことにナイトクラブから同局に移送され、翌朝午前10時まで拘束されたこと。その間、アルコール分の検出テストなどを受けたが、彼女は「シロ」だったとのこと。
また、記事では、同局による取調べ担当者が、「こういった場所で稼いだお金は、“穢れた金”で、その金を使うことによって、両親や未来の世代までも穢れることになる」と語った、と書かれている。彼女の方の反応は、記事からはわからないが、彼女にとっていかんとしても納得できないし、拘束されたこと以上の屈辱だったのではないか。
なんともヒドイ言い分ではないか。
歌手だってシティ・ヌルハリザのように褒章である“ダト”が与えられる職業。
もっと大きくなる夢のために生活費を得ようとするならば、ナイトスポットなどで歌うしかない。そういった彼女が汗水たらして得たお金を“穢れた金”扱いするのは、かなり横暴ではないか。
まぁ、女優シャリファ・アマニ(Sharifa Amani)の坊主頭しかり、YouTubeにマレーシア人イスラム教徒女優のキス・シーン流出など、宗教当局は自分たちの示威のために芸能人をターゲットにするのがお好きなようだ。
ただ、政治家サイドとしても頑迷に中世のような規範にこだわる宗教当局者は、他の民族に伍してくためにくマレー人を近代化していくという視点にからみて、やはり苦々しく思っているフシがある。ただ、誰もが“反宗教”のレッテルは貼られたくない。
宗教と近代化の微妙なバランスが必要とするマレーシアの姿がここにある。
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マレーシアのシャリア業界の人たちの職業人としての知識水準には若干問題があるようで、シャリアコートで判事をしている人たちの中に法学(つまりシャリア)に関する専門知識を持っていない人がかなり多数居るらしいです。
いろいろとえらそうな事を言っている宗教省ですが、要は宗教系の学校・学部を出た(しかも法学ではなくアラビア語だったりする)人たちがリクルートされて、その中でヒエラルキーを作っているだけの極々世俗な世界なので、宗教そのものとそもそも関係ないという感じさえします。
しかしなんともヒドイ話ですね。宗教省人間の横暴はどこの裁判所で裁けばよいのか??
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Assideiqueさん、やはりヒドイと思っていただけますよねぇ。
まぁ、記事からはほかの状況はわからないので、彼女の非がまったくないとは判断できませんが…。
政権が変わっても宗教当局はあまり影響を受けないという感じなので、第4の権力のようなものですねぇ。