この写真に写っている場所のことだが、写っている人のようになんともしまらない話の顛末である。
クアラルンプール(KL)繁華街の屋台が立ち並ぶ裏通りとして地元の人にも観光客にも親しまれているジャラン・アロー(Jalan Alor、アロー通り)が、KL市庁舎によって改称されていたことが論議を巻き起こしている。
改名に伴う看板の設置作業は先々週に終わり、先週21日、英字紙『スター』などが改称が屋台業者や観光客などに支持されていないことを報じ、論議を巻き起こした。結局、24日になり、連邦直轄区大臣が介入し、35年間親しまれているジャラン・アローの名称が維持されることになった。来週のディーパバリ明けには、正式にジャラン・アロー改称を解消することが発表される。
一応、KL市長とKL市庁舎の言い分を書いておくと、こんな感じ。
「改称は、国家経済行動評議会の要請により、ブキット・ビンタン地区のイメージ向上のために3年前から検討されていた。ジャラン・アローは、『ジャラン・クジョラ(Jalan Kejora、金星通り)』に改称し、周辺の通りもブキット・ビンタンは『星の丘』を意味するように、星の名前を冠したも名称に改称する」
なんとも迂闊な話なのは、国際的にも知られているジャラン・アローの改称を市民の意見も聞かず、行ってしまったことであろう。また新聞の報道を見ていると、改称の発表もきっちりしていなかった印象もある。
ちなみにジャラン・アローの“Alor”は「溝」という意味だそうだ。けっこう、地名の意味は非マレー系はもとより、マレー系もよく知らないことが多い。ただ、名前と言うのは親しまれれば記号のようなもので、利便性の方が先にたつ。
“Kejora”「金星」も悪くはないのだろうが、数学や科学を英語で教えている政策のおかげで、身近なマレー語の単語でなくなってしまっているのが片腹痛い。
それでどうでもいい話かもしれないが、ボクなんかでもガイド本などの仕事もしているので、地名などの変更は改定が面倒なのだ。なんとかして欲しい。