ペナンの大津波のニュースを耳にして一番先に思いこしたのは、フェリンギ・ビーチホテルの前にある通称マイアミ・ビーチの風景だった。
このマイアミ・ビーチは地元の家族づれが海水浴をしに来る場所である。その海水浴客目当てにマレー系の屋台が立っている。
ここのラクサとミー・ウダン(エビ麺)が美味いのでよく食べた。
ペナン滞在中、このマイアミビーチに寄ってみた。
屋台は無事だったようで営業していた。
津波は屋台がある場所のギリギリのところまで来たそうだったが、屋台は難を逃れたそうだ。
ただ、店の人はそれ以上のことは教えてくれなかった。
いつもなら海水浴客が集まるマイアミ・ビーチが閑散としている風景が、屋台のテーブルの前に広がっていた。
やはり他の場所で聞いた話によると、このマイアミ・ビーチで波にさらわれた人が多かったようだ。
マイアミ・ビーチだけでなく、ペナン島の北側にある道沿いのビーチで海水浴を楽しんでいるの人々の多くはマレー系だ。ここでペナン島の経済格差などに言及する気はないが、地元の華人はやはり普通のプールに行くのだろう。
12月26日は日曜日の午後でなかったら、多くの命が救われたであろうと思うとなんだかやりきれない。今回の津波で一番クローズアップされた被害者は、子供5人をなくしたマレー系の父親だった。彼も子供達を海水浴につれてきた人の一人で、「もしも」が重なれば不可避ではない被害者だった。
屋台のミー・ウダンは、大きなエビがふんだんに入っており、華人も評判を聞きつけて食べに来る店だ。
いつものように美味かった。
この味を守ってもらうことが、あの惨事を忘れないことにつながって欲しいと願うまでだ。