今日はマレーシアのスポーツ強化策について。
マレーシアに五輪のメダリストは何人いるか?
答えは5人。すべてバドミントンだ。
バドミントンって五輪種目だったっけ、などと言われそうだが、マレーシアはインドネシア、韓国、中国、デンマークあたりと競うレベルのトップ国なのだ。
内訳は、
92年バルセロナでのラジフとジャラニ・シデック兄弟のペア種目での銅。
96年アトランタでのラシッド・シデックのシングル種目での銅、そしてヤップ・キムホックとチャー・スーンキトのペアでの銀だ。
ちなみにシドニーとアテネではメダルはゼロ。
東南アジアのスポーツ王国の地位は、テニス、ゴルフに世界的プロ選手を輩出し、金メダリストもいるタイがかなりリードしているが、マレーシアもその地位に迫りたいのだろう。
ナジブ副首相をリーダーとする内閣スポーツ委員会は、この五人に生涯報奨金を支払うことを発表している。金メダリストには月々RM3千、銀ではRM1500、銅ではRM1000だという。死ぬまでもらえるのだからかなり魅力的な報酬だ。また、対象を五輪以外にも広げていくことも検討していく模様だ。
また、スポーツ強化策にRM1億9300万(約5億6千万円)使用する。重点を置く種目には、競泳、陸上、体操、サッカーの他にバドミントン、ホッケー、スカッシュ、ボーリングが含まれる。スカッシュとボーリングは、マレーシアの得意競技。特にスカッシュには、無敵のニコル・デービットという世界レベルの美人選手がいる。ボーリングはレジャーじないかと言われそうだが、五輪に次ぐ規模がある英連邦競技会(コモンウェルス・ゲーム:世界の1/3ぐらいにあたる旧英国植民地国が加入している)の競技である。
ナジブ副首相は、先に「ビジェイ・シンにマレーシアが永住権を与えなかったことが彼を世界一のゴルファーにした」と発言している。
主旨がよくわからないだろうから、解説を用する。
ビジェイの奥さんはマレーシア人(けっこうマレーシア人でも知らない人が多い)で、彼は伴侶として当地での永住権を申請していたらしい。まぁ、それでマレーシアで安住していたら彼は、動機を失って昨年世界一(賞金王)になれなかったかもしれない、ということらしい。もしかしたら、こんなに大化けするのだったら、永住権ぐらい与えて置けばよかったと歯軋りしているのかもしれないが…。
ちょっと副大臣にしては首をひねってしまう発言だが、お堅いナジブ氏がここでスポーツ界の後援者になれば、国民受けし、次期首相の座も磐石となるというものだ。
マレーシアも映画『クールランニング』のジャマイカみたいに冬季オリンピック初の南国出身選手なんかを狙っているフシがある。イギリス人とマレーシア人の混血のフィギュア・スケート選手なんかをマレーシア代表として出したりするかもしれない。(こういう話は実際あったらしい)
ひょっとして、ひょっとするマレーシア。けっこうこういったところが楽める国だ。