最近のレコード業界はベテラン・アーティストの集大成モノが流行りで、豪華装丁+30曲などをウリとした商品がCD店の棚を賑わしている。
エラ(Ella)も今年で唯一無二のロッカーとして活動歴20周年。最近では、ロッカーというイメージも薄れてきたが、女性には厳しいイスラムの文化でいろいろ言われながらもここまでやってきた彼女のキャリアはやはり賞賛されるべきものだ。
以前、ジアナ・ゼインの無駄話の回でも触れたが、彼女も確か38歳ぐらい。同年代の女性シンガーはみんなお母ぁちゃんになっているのに彼女はまだ“結婚しない道”を進んでいるのみならず、年々妖艶さを増している。スタイルなんかも若い頃よりも良いし、ホント驚くべき存在なのだ。アヴィリル・ラヴィーンが20年後、こんな存在でいられるかを想像すれば、少しは彼女のインパクトが伝わるかな。
さて、本作は92年の『30110』以降、EMI移籍した彼女の曲を集めたもの。前身のElla & Boys時代(1985−87年)やその後のソロ3作(『Pengemis Cinta(88年)』『Puteri Kota(89年)』『Identiti(99年)』)の曲は含まれていない。まぁ、こちらはワーナーが多く音源を出している。
選曲は、国内ロック界のフルサポートの『30110』、山本恭司(Vow Wow)参加の『USA』(94年)、元Gun’s N’ RosesのスラッシュがGを弾いたり、MLTRやリチャード・マルクスが曲を提供した『EL』(99年)など彼女のキャリアのハイライトとなるアルバムからなされており、いずれも名曲ぞろいであることが魅力だ。また、ロック味の薄れた最近の『Ilham Bicara』(01年)と『Simboisis』(03年)からも選曲されている。
やはり初期のハスキーボイスで情念的な稀有の熱唱が再び胸を熱くしてくれる。それに往年の名曲「Permata Biru (2005)」のリテイクでも彼女の熱唱はまだまだ衰えていないことを再認識。
やっぱ情念のほとばしるマレー音楽にロックがなきゃダメだ。20年のロック道、カッコよすぎるぜ。彼女こそ自由の象徴だ。
また、本作にはさらに新曲1曲に加え、前述の曲を含む3曲のリテイク、アウィ(Wings)や弟で売れなかったコーリーとの企画モノ的デュエット2曲も収録されていることが、この手のアルバムとしておいしいオマケとなっている。加えて、こちらも地元で流行の豪華ブックレットも封入。
ただある音源をまとめてCD音源化した安易なベスト盤が市場に氾濫しているが、本作はしっかり買いたくなるツボを押さえている商品だ。
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おれは「El」以降の彼女しか知らないので、このベスト盤は聴いてみたいですね。
彼女の歌声ってすごく独特で好きです。
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え、そんなオバサンだったんですか!びっくり。オバサン顔の若者、と思っていました。
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みなさん、そう思われるのは当然でしょうね。
10年前ならば、説明不要の存在でしたから。
良くも悪くも情熱的なマレー音楽的なアーティストであるといえます。やっぱ、20年も前にハスキーボイスでシャウトしまくっていた女性シンガーなんていなかったから、カッコいいですよ。特に「女はこうしなければいけない」っていうのが強い社会ではね。
このまま、黒魔術ルック(?)でブッ飛んでいる存在でいて欲しいです。ホント。