マレーシアから民俗楽器による新感覚のインスト・ユニット、モーラム(MOHRAM)によるコンサートが、12月6日、品川キュリアンで行われることで数回に分けて書いていこう。
モーラムとしては、『サクティ』(01年)と『アンタールスカ』(04年)を発表。マレー民族の旋律をモダンなアレンジと巧みなアンサンブルで聴かせる新感覚のインストという音楽性を確立する。
というのが紋切り型だが、彼らの説明。しかし、マレーシアではインストというジャンルでは、注目されることはおろか、アルバムの発表までいたる例は皆無である。特筆すべきことに彼らは、そういう情況にありながらも2作のアルバムを重ねていることだ。マレーシアにもけっこういい演奏者がいるし、コマーシャルなジャンルでないほど凄腕がいるのだが、だれもインスト・グループとして活動することはなかった。
それで彼らがいかに特別な存在であるかは、やはりマレー民族のメロディーとリズムを魅力的な音楽にしていることである。近年、シティ・ヌルハリザ(Siti Nurhaliza)やノラニザ・イドリス(Noraniza Idris)といった歌手により、エスニック・ポップというジャンルが確立し、マレー民族の伝統を伝えるきっかけとなっているが、あくまでも民謡。あの節回しが嫌いな人には届かない音楽だ。ボクだって愛聴しているとは言いがたい。
彼らはあくまでも民俗楽器の奏者である。やっぱり、美しい音色から入っていけるのがいい。マレー民族のリズムは、やはりアジアの西側インドやアラブ、もしかしたらトルコやイランの方にルーツがあるかもしれないが、メロディーの方は東アジアの住人のわれわれにはどこか同じ地下水脈でつながっているような懐かしさを覚える。インストだからぐっと心に染み入るのだ。
それで、彼らの本領はやはりライブだ。デビュー後、彼らの存在を知らしめたのは、03年にはマレーシアの国立劇場であるイスタナ・ブダヤにて舞踏団との共演により実現したコンサート『クンバラ・ジワ(ジャーニー・オブ・ザ・ソウル)』だ。(上の写真はそのころのイメージ)当地ではVCDにもなっているが、シアトリカルで壮大な舞台装置によるコンサートだった。舞踏と舞台美術というビジュアルなアートの共演ができるのは、インストならでは。マレー民族の伝統が現代アートの域にまで高めた彼らの功績は大きい。
以後かれらは、マレーシアを代表するインスト・ユニットととして、昨年東南アジアで一番レベルの高い『シンガポール・アート・フェスティバル』や世界レベルのワールド・ミュージックの祭典『レインフォーレスト・ワールド・ミュージック・フェスティバル』に招待され、国際的な認知度を高めている。さらに昨年10月にはマレーシア国立交響楽団と共演で来日し、東京・大阪でのコンサートを行っている。
とまぁ、初回は彼らが国際的にも通用するのアーティストという少しかたくるしい紹介となったが、次回はもうちょっととっつき易い話題にしようと思う。
コンサートの詳細とチケットの申し込みはこちら。
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このスンダニーズ・クンダンを叩いている人って、シティのロンドン公演に出てた人ではないですかね?
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Nomさん、嬉しいフォローありがとう。
シティのロンドン公演で演奏していたのはこの人、ラムリーです。モハールは、実は国籍がインドネシアでビサが面倒なのでシティの公演には行かなかったのこと。
シティのVCD買った人は観てみてください。