シティ・ヌルハリザがレコーディングで忙しい間に新聞に尽きないネタを提供していたのがオーディション番組アカデミ・ファンタジア第3期総代マウィ(Mawi、26歳)だ。
彼はジョホール州のコタ・ティンギ近くのフェルダ出身。フェルダというのはどうも政策的に作られたプランテーションのための集落のようで、マレーシア各地にある。フェルダの集落がどのようなものかは知識が及ばないが、彼は田舎の出であることは確かで、彼の支持層もそういった部分に共感する地方のマレー系であるようだ。
大雑把に言ってしまえば、彼の古風で清廉なイメージが年代を超えた地方のマレー系に支持されており、これまた昔風に言えば“立身出世”を体現したということだろう。イスラム原理的な政党のマレーシア・イスラム党に“青少年の規範”とされて、芸能を奨励しないケランタン州の式典に招かれたことは以前本欄で紹介したとおりだ。
さて、立身出世者である彼の親孝行ぶりは、メディアでも取り上げられてる。
故郷にRM20万(600万円)の家を建てることになった。家の命名をファンの投票で決めるそうだ。日本なら“○○御殿”って感じか。マウィ御殿でいいんじゃないかな。また昨年ビンタン・ポピュラー賞で獲得したRM15万(450万円)の宝石を母親にプレゼントしたそうだ。(わざわざメディアを呼んで贈与式まで行っている)
さらに昨年彼にはRM10万(300万円)の収入があり(当地では多い額だろう)、毎月RM2000を家に送っているそうだ。いつまでも親のすねをかじっている人間には耳が痛い話。
まぁ、これだけ立身出世、親に考をしていても躓きはあるもので、女優のディアナ・ラファー(Diana Rafer、美人グループEliteメンバー、リンダの妹。写真)と釣堀でデートしていたことをすっぱ抜かれてしまった。彼にはデビュー前から婚約者がいて、いつ結婚するのかという問いがいつも着いて回っていた。
それにしても釣堀というのもなんだか垢抜けないが、「彼女のお母さんにアッサム・プダス(料理名)にするナマズを贈るため」という釈明も牧歌的。マウィは非を認めて、ディアナにも彼女の恋人の俳優ザマルル・ハシムにも陳謝したそうだ。
この事件が彼の人気にどう作用するか。
けっこう時が経てば忘れられてしまう気がする。
マレー系の社会のあり方を知る上でもちょっと興味がある。