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異形のR&Bシンガー、レシュモニュの快作『Superfine』 – アサ・ネギシのページ/Music Raja
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マレーシア・ライターの見聞録

異形のR&Bシンガー、レシュモニュの快作『Superfine』

 今年は、ちょっとばかり普通の人のように「何をしている」といえること(まぁ、おカネになることをしていたの)で忙しく、ずいぶん書きたいことも書けなかった。
 でも、最後ぐらい正鵠を得た作品の紹介をしておこう。
 今年のマレーシア音楽界は、もうインドネシア勢の進出ラッシュとチャート席巻で、力が入った作品は五指に満たなかった。こんな凶作は、あくまでもボクが覚えている限り、経済危機の98年以来のことだ。
 なにしろ年を越えたピーターパンから始まって、美人ユニットRatu、もう誰もマレー語圏ナンバー1ロックバンドの位置にいることに異論がないDewaの新作、最後にはメリー&アントの夫婦コンビ作曲の映画サントラ盤『Heart』のイルワン・シャー&アチのアイドルコンビまで、すべてがマレー語チャート1位をかっさらっていtった。サムソンズなんってのもいたよなぁ、もう知らんぞ、そんな連中。
 シティ・ヌルハリザ(Siti Nurhaliza)がメリーの曲を歌ったことも遠因に違いないが、とにかく「インドネシアならばなんでもいい」という雰囲気が業界に蔓延した。 そうなると業界的には、インドネシア・アーティストのアルバムを流通させる方が、商売的にコストもかからず、リスクも少ないものだから、まともに国内アーティストがアルバムを出せない状況になった。
 まぁ、言語が近いから市場が統合する方が自然で、住み分けが進むのであろうが、“インドネシア・コンプレックス”は何とかしてもらいたい。もっとマレーシアにしかできないサウンドはあるのだから、自信を取り戻してもらいたいところだ。きっと、香港や台湾と大陸が、こんな関係なのかもしれない。
 兄弟みたいな国がない日本や日本民族には、わからない事情なのだろうなぁ。
 さて、そんなインドネシア旋風とは無縁のマレーシアならではのサウンドが年末に登場した。インド系R&Bアーティスト、レシュモニュ(Reshmonu)の約2年ぶりの新作『Superfine』だ。
 本作は、全12曲英語という構成。一聴した印象は、デビュー作『Monumental』よりも、アジア的な要素は控えめで、洗練されたサウンドに仕上がった。
 まだ、ラップ・パートやヒップホップ的な味付けを取り入れ、トレンドを意識した部分が強いが、前作のコンセプトであった“フュージョンR&B”から、耳を心地よく駆け抜けていくメロディーの本格的R&B志向になってきている。
 タイトル・チューンの「Superfine」は、80年代的な味付けのサウンドで裏声に挑戦し、歌い手としても新境地を開いた。ジェームス・ブラウンを敬愛する彼ならではだが、奇しくもトリビュートとなったようだ。
 
 『Monumental』の再パッケージ盤に収録された「Hey Waley」的なケレン味がある曲は、ちょっと影を潜めてしまったが、それでもアジア人であることも忘れていない。「Understand」は、パンジャビ語とインドのリズムで、インドスパイス・サウンド全開だ。
 
 また、「Leave Me Alone」では、インドのドラムの使い方が絶妙。『Monumental』では、民族楽器の音が満艦飾だったが、曲の雰囲気を壊さず、センスよく入れられることに成長を感じる。
 今回、ちょっと耳を惹くサプライズはラテンサウンドのアレンジの「Where There Is Love, There Is ”Carnival”」。冒頭を飾る「Where There Is Love, There Is You」のバージョン違いなのだが、サウンドエンジニアとして修行してきた過去がある彼の見事な音の料理の手腕に感嘆する。ちなみに「Leave Me Alone (Club Mix)」には、スペイン語ボーカルが入っており、ラテン志向も彼の引き出しのひとつとなっている観がある。
 「Maureece」という曲は、愛息に捧げた曲。彼の完全主義者のショーマンシップとストイックさを目の前で見せられたボクには、彼の家庭人の一面を見せていることが、アーティストとして一皮剥けたようで嬉しくなってしまう。
  
 アルバムの幕引きとなる「Miracles」で歌い込む様は、スティービー・ワンダーのように愛で世界を包み込んでいるような感覚にもなってしまう。もう彼は、世界を相手に歌っている気までする。
 総じて『Monumental』で示した強烈な個性は失われてしまったが、同じ方程式を繰り返さないというアーティストとしての意地、そして国外でも通用する最高のR&Bサウンドを作ってやろうという野心がひしひしと感じられる作品だ。
 彼のスケールの大きさというか、メジャー感は、すでにマレーシアに収まらない高みにあり、本作が彼の求めているリスナーに届くことを願うばかりだ。

(ホントは、反則かもしれないけど、裏ジャケも。体絞っています彼。プロだネェ)
 最後になりましたが、みな様よいお年を。

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5 Comments

  1. グン グン
    2006年12月31日    

    AGENT: KDDI-SA33 UP.Browser/6.2.0.9 (GUI) MMP/2.0
    ご無沙汰しております。
    今年も楽しい記事、ありがとうございました。
    今年はあまり書き込みできなかったのですが、最近セペのDVD購入しました。
    来年は映画も少しずつ見ていきたいです。
    どうかよいお年をお迎え下さい。

  2. アサ・ネギシ アサ・ネギシ
    2006年12月31日    

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)
     グンさん、その節はサイトのデーターを救っていただいてありがとうございました。
     
     嬉しいですね。こうして日本でもマレーシアの芸能に触れていただいている人がいるだけでも。。。
     よいお年をお迎えください。

  3. 520 520
    2007年1月1日    

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98)
    いつもいつもReshmonuの情報ありがとうございます。
    いつ出るんだーと待ちに待っておりました。
    早速入手すべく問い合わせてみました。
    期待通りクオリティの高い作品のようですね!
    楽しみです。

  4. ssj ssj
    2007年1月4日    

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98; .NET CLR 1.1.4322)
    アサさん今年もよろしくおねがいします!
    sampai menutup mata聴いて泣けますよ(笑)
    Achaかわいいし
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    出るかな?
    レシュのアルバムは近い内にGETします!

  5. アサ・ネギシ アサ・ネギシ
    2007年1月5日    

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)
     SSJさん、先日はごめんなさい。
     忘年会のレンチャン、抜け出せませんでした。
     アチャはかわいいですね。
     でも、ちと、歌はずっと聴いているのはきつい。。。

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