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メタル界の重鎮が、Republic Of Brickfieldsとしてレゲエに回帰、 – アサ・ネギシのページ/Music Raja
アサ・ネギシのページ/Music Raja
マレーシア・ライターの見聞録

メタル界の重鎮が、Republic Of Brickfieldsとしてレゲエに回帰、

 ちょっと面白い流れを作りそうなミュージシャンを紹介。

 このドレッド・ヘア(いわゆるレゲエ頭)が堂に入っているミュージシャンの名は、アル(Aru、42歳)
 今までの活動歴からすれば、Koffin KansarというNuメタル・バンドの顔の方が有名で、昨年も当地最大のロック・コンサート、『Rock The World7』でも元気な姿をみせていた。
 今年3月に入り、アルは自身のもうひとつのバンドであるRepublic Of Brickfieldsでマレー語による本格レゲエ・アルバム『Ganjaran』を発表。アルは、昔からマレーシアのドレット・ヘアの元祖みたいな存在だったし、Koffin Kansarでも彼のレゲエ趣味を披露する曲もあったので、ミュージシャン歴20数年にして来るべきところに来たと言う感想だ。

 さて『Ganjaran』は、ボブ・マーリーの血筋を引いた生粋のレゲエ作。
 マレー語がレゲエにもよくハマっているし、常夏のマレーシアの風景にもよく似合うサウンドだ。アルもKoffin Kansarでは、だみ声で吼えているだけなので、シンガーとしての真価は測れなかったけど、容姿同様レゲエ好きに年季が入った歌いっぷりだ。
 厳密に言うとPoeというアーティストが90年代初めにマレー語レゲエをやっていたが、コミックソング路線で、ブームにはならなかった。ここ2、3年になってインド系のサシ・ザ・ドン(Sasi The Don)による英語レゲエがでてきたり、Gerhana Ska Cintaというバンドがマレー語スカを始めたりと、ジャマイカン・サウンドの流れができそうな気配だ。 
 本人いわく、「本来のレゲエと違って政治や宗教についてメッセージは発していない」という話だが、イスラム教徒でありながら「酔っ払え、酔っ払え、ウィスキーを呑め」などと歌っているところを聴くと、彼らしくてニヤリとしてしまう。それにアルバムのタイトルもマリファナの通称である“ガンジャ”を想起させてしまうけど、「オレはマリファナどころか、タバコもやめて7年になる」と言っている。(でも、大麻の葉のペンダントなんかはつけているが…)
 それで、今日30日午後3時からRepublic Of Brickfieldsの全国ツアーの締めとなるライブがKLプラネット・ハリウッドで行なわれる。(ちっとも予告にならないタイミグですみません)
 アルバムの方は、ちょっと泥臭い感じが、逆にクールな感覚に仕上がっているので、聴いて欲しいものだ。
 

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