KL音楽祭開催

　1日から4日までクアラルンプール（KL）フェスティバルのメインイベントのひとつとして、イスタナ・ブダヤ（国立劇場）にて『KL音楽祭』が開催される。

　昨日、KLフェスティバルの開幕式が行なわれ、『KL音楽祭』に出演するアーティストの演奏も披露されたので、ちょっとプリビュー代わりに見どころを紹介していく。

　ついでに言うとフェスティバルは首都ながら文化と芸術の香りがしないKLだが、“文化・芸術の核に”と意気込んでいることが伝わってくるイベント。『KL音楽祭』は、来日経験もアル昨年スルリンとパーカッションのマレー民俗楽器のデゥオ、モーラム（Mohram）が出演したこともあって観にいったのだが、国内アーティストも外国からの招待アーティストもなかなかレベルが高かったので注目しているのである。（昨年のレポートはこちら）
　さて知名度でいうとまずこの人、ザイナル・アビディン（Zainal Abidin）。

　04年にアルバム『Puteri』で復活を果たしたものの、いまだ実力相応の地位を得ていない観があるが、音楽祭にはフュージョン・バンドを引き連れて1日の＜ワールド・ミュージックの夕べ＞に出演する。全盛期のようにパーカッションを嬉しそうに叩いている姿は、全身から音楽を楽しんでいる様子で期待大。
　今年は、2日が＜国立交響楽団の夕べ＞と題されているのだが、ソロとして出演するのが中国からの二胡に似た楽器（すみません失念）奏者ユィラナ（Yilana）。

　中国楽器についてはまったく無知なのだが、ボディが台形でネックには馬の装飾があり、起源となったモンゴルの影響が色濃い胡弓のようで、やわらかいビブラートが特徴のよう。
　
　また、＜国立交響楽団の夕べ＞には、今年のマレーシア音楽産業賞（AIM）で新人賞を獲得したショーン・ガジ（Sean Ghazi）が登場。

　オーケストラをバックにノスタルジックなナンバーを披露する。
　さて、今回の目玉は3日の＜ジャズの夕べ＞に出演するインドネシアのKakatau。

　このバンドは、インドネシアの楽器といったらすぐ思い浮かぶガメランをフィチャーしたジャズというよりはフュージョンといった感じのサウンドだが、アフリカっぽさも感じられる不思議な感覚を醸し出している。加えて演奏力・表現力も高く、圧倒的な存在感があるバンドだ。
　ちなみに＜ジャズの夕べ＞には、尺八フュージョンを世界的に広めたアメリカ人、ジョン海山ネプチューンも出演する。
《KL音楽祭詳細》
7月1日＜ワールド・ミュージックの夕べ＞
出演：AT＆T、ザイナル・アビディン＆KLフュージョン、Dekornu（ガーナ）
　　
7月2日＜国立交響楽団の夕べ＞
出演：国立合唱団、ショーン・ガジ、シャフィナズ（Shafinaz）、ユィラナ（Yilana、中国）
7月3日＜ジャズの夕べ＞
出演：マレーシアン・オールスターズ、ハザミ（Hazami）、ジョン海山ネプチューン（米国）、Kakatau（インドネシア）
7月4日＜ファイナル＞
出演：ザイナル・アビディン＆KLフュージョン、ジョン海山ネプチューン（米国）、AT＆T、Kakatau（インドネシア）、ガメラン・クラブ、Dekornu（ガーナ）、マレーシアン・オールスターズ
開演時間：午後8時半
チケット：RM30（1階中央席）、RM20（1階普通席）、RM10（2階席）、RM5（学生）
＊全日程共通

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