ちょっとしばらく間が空いてしまったが、やはり、まずはイケメン・サーチに協力してくれた方々への御礼も含めて一筆。
意図的に名前と写真だけにしておいたので、まったく彼らになじみのない方の意見も聞けるかと思った次第。なんだか皆さん、順番まで書き込んでいただいてより参考になりました。
実は映画界での存在からいうと�のピエール・アンドレ(Peirre Andre)が、やっぱり今の映画界の顔たる存在なのである。�のファリッド・カミル(Farid Kamil)も�のジーハン・ミシキン(Jehan Miskin)も主演を張れるレベルだけれども、人気的にはまだまだ。�のキュー・ハイダール(Que Haidar)は、文字通り個性派としていい演技をしているので、名脇役になりそうな気がする。
ただ、ピエールのような性格派の顔ってスクリーン外でも魅力が分かるものなのか、ちょっと他人の意見が欲しかった。まぁ、映画界を知る人、知らない人を含めて4人が彼を1番目に推しているのは、ボクとしては意外な結果だった。
でも、これでちょっと自信がついたので、来る日本での“マ流”(来ないか)推進活動の顔として、“ピエール様”を支援活動していこう。(字面だけみると「?」×3ですね)
さて、ピエールは、まだ22歳。(ちょっと老けて見えるかも)マレー系なのになんだか南欧人のような名前は、祖父がフランス人とのこと。本名は、Mohd Pierre Andre Bin Nazarul Andreで、祖父方の姓をイスラム名にも取り込んでいるようだ。
彼のブレークは、フットサルに打ち込む女の子達の物語でヒットした05年の『GOL & GINCU』(関連記述→こちら)(06年に東京国際映画祭で公開され、邦題は『ゴールと口紅』)。ピエールは、主演のファズーラ(Norfazura Sharifuddin)を見守る好青年を演じた。個人的に、「でしゃばらない」、「さりげないやさしさがにじみ出る」、そして「べらべらしゃべらない」というところに新しさを感じた。
もちろんストーリーやキャラクターの設定もあるのだが、マレー映画の主人公の男って、演技に自然さがないし、とにかく余計な台詞が多い。とにかくドラマにしなきゃいけないと、しゃべりすぎ。日本人の感性にあわないゆえんなのだ。
06年に公開され、今年の、アレーシア映画祭で最優秀作品賞を獲得した『Cinta』(関連記述→こちら)でもピエールは、持ち味のしゃべらない演技が発揮。
ピエールは、恋人を探しに上京した女の子(シャリファ・アマニ)に恋心を抱きながら見守る不器用な青年を好演。一念奮起して「君のことが好きだ」という台詞が、無常にも安普請のそばを通る電車の音にかき消されてしまう。ちょっと紋切り型のシーンだけれども、なかなか今の映画界で演じられる人材もいない観があった。
さて今年に入ってピエールは、自身の脚本によるホラー作品『Jangan Pandang Belakang』で、主演と助監督を務め、制作側にも才能を発揮し始める。同作は、、12年ぶりにマレーシア映画興行記録を塗り替える成功を収める。
個人的にホラーも好きではないし、作品もマレー系にしか怖さがわからないものだと思ったが、ピエールの名を映画界に轟かせるには十分のインパクトであった。そして、先月公開された『9 September』では、主演・監督と一気に映画人へと駆け上がるのである。
これだけ書けば、ピエールがいかに前途洋々たる存在かが分かってもらえると思う。
それで目指すは、“マ流のピエール様”(また出たゾ!)なんだけれども、「黙って演技する」かっこよさを衆目に認めてもらえる作品を作ってもらいたいものだ。(しゃべることの無力さを感じるアサ・ネギシは、“寡黙な男ブーム”を作って欲しい)
これからも期待してピエール様を紹介していこうと思う。