ちょっと古いニュースだが、ご容赦を。
今年もスハイミ・ババ監督の『Waris Jari Hantu』、『1957 Hati Malaya』に主演するなど地元映画界の顔であるマヤ・カリン(Maya Karin、28歳)が4日、ケランタン州で行なわれた映画祭に招聘された。
ちょっと解説すると、半島部マレーシア東海岸最北部にあるケランタン州は、90年からイスラム原理主義に基づく汎マレーシア・イスラム党(PAS)が州政権を握っており、「芸能は信仰を妨げるもの」という理由で芸能公演などを許可してこなかった。
同州は、95年から暗がりが未婚の男女に間違いを起こすもとになるとして、映画館を禁止する措置を取ってきている。ちなみに04年にシティ・ヌルハリザ(Siti Nurhaliza)が全国無料コンサートを行なったが、ケランタンとトレンガヌ州で公演ができなかったのは、このPAS政権下であったため。
今回、マヤが参加したのは、同州で開催されたミニ映画祭。00年に公開され話題になったイラン映画『The Colour of Paradise』のマジッド・マジディ(Majid Majidi)監督とのパネル・ディスカッションに出席するため。ディスカッションでは、『映画におけるモラルと人間性』がトピックとなった。
ちなみにボクも気に留めたことはなかったが、PAS政権下のケランタン州のほか、04年までPASの政権下だったトレンガヌ州、ペルリス州の3州では、映画館がないそうで、マヤの今回の訪問がイスラム色が強い地域でも芸能の開放に向かうことが期待されている。(ペルリス州はPAS政権下ではないが少さい州であることもあり、映画館チェーンの資本がまだ入ってこないからかもしれない)
好調を背景にした地元映画界と美人力が保守的な地域に改革をもたらすか期待。
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以前ケランタン、トレンガヌ州には旅行で行ったことがあるのですが、”なんとなくイスラム臭が強い地域だな”と感じました。でもKLのようなマレーシアの他の都市部でのマレー系の若者を見て”いい意味でイスラム教国家(とはいうものの他のイスラム教国には行ったことはないのですが)とはとても思えない”、”他の宗教民族とうまく共存している”と思っている自分にとっては(だからマレーシアが好きなのですが)、何気にこういう規制が一部の州にまだ残っているというのは単なる時代錯誤というか、一部の人の(規制する側の)単なるエゴとしか思えません。規制が緩和されるきっかけになればいいですね。
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Ouたさん、こういう記事にレスが入るのは嬉しいですね。
でも、根本的な問題というのは、実は政治の駆け引きで、メディアを通した与党側からの野党批判のキャンペーンのような性格もあります。ケランタン州がいかに前時代的かをメディアも煽っているようです。(特に選挙が近くなると)
“お笑い北朝鮮”的な感覚、というと分かりやすいかな。
それでもケランタン州の人たちなんか、映画館やディスコがなくても案外不満もなく生活しているのも本当なんですけどね。(最近、やっとビリヤード場は、賭けをしなければOKにするようです)
まぁ、ひとついえるのはすごくイスラム色が強いからといって、他のマレーシアと同じで、異人種や外国人にたいして排他的ではないですね。
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ネギシさん 上記非常に的確なコメントだと感心しました。
ところで僕の記憶では映画館はあって、『上映中客席を暗くしたら
いけない』、だったと思うのですが、その後映画館自体だめになったの?
で、ついでに思い出したんですけど10数年前には
地方の小さい町にはどう見てもR指定映画って感じの
お色気系看板が出ている映画館がありました。
あれ、地方はこんなの上映してもおとがめはないんだ?
って思ったのをよく覚えています。