一昨日の話の続き。
同じ首都圏のKL(クアラルンプール)とセランゴール州で祝日が違うという現象について。
今日はヒンドゥー教の「タイプーサム」を祝って、セランゴール州が祝日。ついでに言うとペナン州、ジョホール州、ネグリ・センビラン州、ペラ州、セランゴール州がお休み。マレー半島西海岸の主要都市部がお休だった。
それで来週火曜日の2月1日は、連邦直轄地記念日。マレーシアは連邦制なので、中央政府の直轄地がある。KLのほか、ボルネオ島の北にあるラブアン島、そして01年からプトラ・ジャヤも連邦直轄地に加わった。プトラ・ジャヤは、KLから30kmほど南に作られた新興都市のことである。
今日はプトラ・ジャヤもセランゴール州内にあるのだが、今日は平日。しかし、そのすぐ隣にあるサイバー・ジャヤはセランゴール州なので、お休み。目と鼻の先なのに休みが違う減少が起きている。働いている人は混乱するんだろうな。きっと。
さて今日はこの新興都市プトラ・ジャヤの話。
このプトラ・ジャヤは、マハティール前首相のイニシアチブで作られた新行政府の中心都市。まず、98年前首相が先頭を切って、この新都市に完成した首相府と首相官邸に移った。現在では、主要な省庁、最高裁判所もプトラ・ジャヤにある。
日本みたいに「遷都」が思い出したように話題になるが、ちっとも進まないことを考えると、先の先を読む前首相らしい遷都といってよかろう。
遷都という言葉を使ってしまったので、あらためてマレーシアの首都はどこになるのか。
中央政府はもうプトラ・ジャヤで機能しているので、首都はKLではないともいえる。
しかし、辞書をみると一国の元首が住むところという定義もあるので、ややこしい。
マレーシアの国王は、KLのイスタナ・ネガラにいる。それにプトラ・ジャヤにはワシントンDCのように立法府(議会)はなく、あくまでも行政府と司法府なので、やっぱり昔から首都と呼んでいるKLの地位を無理に変えることもないというところが本当だろう。(アムステルダムとハーグっていう例もあったな。あれはどうなんだろう)
まぁ、それでKL国際空港(KLIA)ができた時も地元の人は「遠い」と文句を散々言っていた。このプトラ・ジャヤに関してもそうなのだが、ただ馴れの問題だと思う。駐車には困らないし、違う役所間をたらい回しにあっても、もプトラ・ジャヤ内で用事が済む。個人的には、住んでいる場所からも遠くはないし、便利になったと喜んでいるのだが。
ただ、イミグレ(入国管理局)の本部もプトラ・ジャヤに移動したので、新参の外国人には辛い。タクシーの運ちゃんもプトラ・ジャヤの新しい建物のことわからない人が多いから。
KLとプトラ・ジャヤ、そしてその二つの都市を含むセランゴール州。
休みが別々なのは面倒だが、国にはいろいろな事情があるということだ。