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ミシャ・オマール、セルフタイトルの3作目リリース – アサ・ネギシのページ/Music Raja
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マレーシア・ライターの見聞録

ミシャ・オマール、セルフタイトルの3作目リリース

 02年デビューのミシャ・オマール(Misha Omar)の実に4年ぶりの3作目となるアルバムがセルフタイトルでリリースされた。

 やはり彼女は、マレー・ポップの正統派であり、歌唱力的にも女王シティ・ヌルハリザ(Siti Nurhaliza)の地位を狙える人だ。(と思う=断言躊躇)
 当地では珍しいモノクロームのシンプルでセンスのあるジャケ写が、アーティストとしてのステップアップを否が応でも予見させるのだ。


 と、煽って始めたが、本作は8曲+カラオケ3曲という構成で、そのうち4曲は既出というちょっと中途半端な作品なのである。
 昨日のエントリーでもちょっと書いたが、「中堅からベテランの大物アーティストがじっくりお金を遣って」作品を作れない状況を象徴している。繰り返しになるが、シティが結婚で活動をスローダウンしている間に伸張していくべき位置にいる彼女がリリースするべき内容としては大いに不足である。
 でも気を取り直して、新曲の4曲をみていこう。
 先行音源として流れている「Jawapanmu」はキャット・ファリッシュ、「Sampai Di Sini」はアジャイ、「Cinta Adam Dan Hawa」はアズミール、「Cinta Suci」はヌル・ファティマ&オマール・Kが作曲とヒットメーカーが手がけているのだが、いずれもしっとり系でキャッチャーさが今ひとつな印象。
 やはりシティも昨年リリースの『Hadiah Daripada Hati』で、熱唱・絶唱を減らしているきらいがあり、彼女も「軽やか、爽やか路線」に傾かせている部分が大きい気がする。
 それでも彼女は、それなりに「軽やか、爽やか路線」をこなしており、楽曲の魅力を引き出そうとしてる工夫も見られる。でも、個人的に彼女の魅力は“人外れた感情移入の強さ”にあると思う。
 彼女は、デビュー・ヒット曲「Bunga Bunga Cinta」を歌いながら泣き出したり、インドネシアの大御所メリー・ゴスロー作のデュエット曲「Cinta」を披露した舞台での熱唱の末にへたり込んだりするような人なのだ。
 ちょっと女性としては(否、女性だからこその)激しすぎる気迫とR&B寄りのコブシが入った唱法に魅力を感じるボクとしては、新曲は物足りなさを感じ得ないのが正直なところだ。
 それでも別れの場面を歌った「Sampai Di Sini」は、もしかしたらライブでは情念的な歌に変貌するかもしれないと期待を持たせてくれる曲調だが…。
 ちなみに既出の4曲は、Flop Poppyのボーカリストアンディ(Andy)とのデュエット曲「Sembuni」(07年)、M.ナシール作曲のモダン民謡調の「Nafas Cahaya」(06)、映画『ポンティアナ2』のテーマ曲「Ku Seru」(05)、そして前述のメリー・ゴスロウ作曲でジャクリーン・ビクター(Jaclyn Victor)とデュエットした「Cinta」(06)。
 ちなみに新曲4曲と「Sembuni」、「Nafas Cahaya」は、シティのライブでの音楽監督として知られるラムリー・MSのプロデュースとのこと。
 前作リリース後に発表されたこの4曲はやっぱり魅力的で、ここでひとつのアルバムにまとめて収録されていることで購入に足る価値はあると思う。
 ちょっと蛇足のそしりを受けながら解説すると、「Nafas Cahaya」は、やっぱりミシャは音楽界随一のシンガーと思わせてくれるし、昨年の『アジア・ポップ・ウィンド』のマレーシア最新トップ10でに推した曲。「Cinta」は、本家のメリー&クリス・ダヤンティ(Kris Dayanti)に劣らないマレーシア音楽界の実力を示してくれたことが白眉だった。ちなみにこの曲は、カビール監督による同名の映画作品『Cinta』のテーマ曲
 そしてやっぱりボクの好きな情念的熱唱曲「Ku Seru」。
 実は、彼女スハイミ・ババ監督の『ポンティアナ1』のテーマ曲「Pulangkan」も歌っており、多分に本編の映画作品を意識した連曲の観がある。
 この2曲を聞いていると、映画に主演したマヤ・カリン(Maya Karin)じゃなくて、ミシャが劇中の愛憎と情念の幽霊ポンティアナなんじゃないかなと思えてくるんだよね。
 以上、アーティスト、ミシャ・オマールの魅力を勝手に書き連ねました。

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4 Comments

  1. saya saya
    2008年12月4日    

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; FunWebProducts; .NET CLR 1.1.4322)
    Misha Omar 女性歌手の中で一番好き!
    意外に若いのに、老け感ある歌い方といい。ホント好きっ!!
    Pulangkanなんて、聞き込み過ぎて、本人より熱くウザク歌える自信アリ。
    でも、あのコブシがねぇ・・・出来ない。
    アサさん!断言躊躇しないでください(笑)。
    ただもうちょっと違ったMisha Omarを見たい、聞きたいと思うワタシ。
    たぶんアサさんが言う「マレー・ポップの正統派」
    これをドンと正面から、直球して欲しい。

  2. おーこ おーこ
    2008年12月4日    

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322; .NET CLR 1.0.3705; .NET CLR 2.0.50727)
    わっ!待ってました!待たされました!絶対買います♪
    曲数が少ないのと、新曲のコブシが少なそうなのは残念だけど・・
    NHK−FMで聞いたNafas Cahayaがどうしても欲しくて
    sayaさんにどのCDに入ってるか教えてもらって買ったりしましたし★
    Cintaは本家よりもこっちのほうが好きだし、
    早くアルバム出してくれぇ・・と思っておりました。
    ガイコクジンなんで完全に耳で楽しんでるだけですが・・
    めっちゃ大好きなんです, Ku Seru
    「いい歌手になったなぁ〜」と思ってしみじみ聴いてました。
    (意味わからんくせに・・なんてツッコミはナシで☆)
    情念的熱唱曲かぁ・・どうやらというか、
    やっぱりこの路線に弱いようです。。
    歌いながら泣き出したり、舞台でへたり込んだり・・
    ってところは見たことないので、そういうとこ見たら
    ますます好きになりそうです★

  3. アサ・ネギシ アサ・ネギシ
    2008年12月5日    

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 1.1.4322)
     sayaさん、おーこさん、書き込みありがとう。
     ミシャが動いたことに即応があるだけでもうれしいことです。
     sayaさん、彼女がシティに匹敵する人であることは断言してもいいのですが、業界の状況がそれを許さないのが歯がゆいですね。せめてデビューが5年ぐらい早ければ、もっと多くの曲が聴けたもの、と思ってしまいます。
     ちょっと最近みたライブでも彼女は、押さえ気味で、オーラもなくて心配しています。
     おーこさん、「Nafas Cahaya」に反応していただけたのですか。OAに推した甲斐があったものです。
     「Pulangkan」と「Ku Seru」を認めてくれる日本人リスナーがいる。
     ますますうれしいです。
     「“情念的熱唱”曲の系譜」の特集でもしましょうかね。
     

  4. saya saya
    2008年12月6日    

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; FunWebProducts; .NET CLR 1.1.4322)
    “情念的熱唱”・・・ステキな5文字!
    昨晩のTV3のZaiana Zainの熱唱。
    もーーーーー、ビール飲んでる手も止まっちゃいました(笑)。
    90年前半組?が、
    もっともっと元気でいてくれることを
    心からのぞみますっ!!

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