8日、第22回マレーシア映画祭2009の授賞式が行なわれ、アフドゥリン・シャウキ（Afdlin Shauki）監督・主演の『Papadom』が最優秀作品賞を獲得した。先月25日に他界したヤスミン・アーマッド（Yasmin Ahmad）監督は『Talentime』で最優秀監督賞を授賞した。
『Papadom』は、最優秀主演男優・女優の両賞、原作賞、映画音楽賞の合計５賞を獲得。さらにアフドゥリンは、別の監督作品『Los dan Faun』が最優秀コメディ賞、別の主演作品『Setem』が最優秀撮影技術賞など３賞を獲得するなど、良作に恵まれた。
ヤスミン監督の遺作『Talentime』は、最優秀脚本賞も受賞したほか、出演したジャクリーン・ビクター(Jaclyn Victor)が期待される新人女優賞、前作『Mukhsin』の主役を演じたシャフィー（Syafie）が最優秀助演男優賞を獲得し、4冠となった。
また、インディーズ映画の旗手であるジェームス・リー（James Lee）が、初のマレー語作品の『Hysteria』で期待される新人監督賞を獲得した。
故ヤスミン監督の監督賞受賞スピーチでは、両親が見守るなか、妹のオーキッドさんがが代理人としてステージに立ち声を詰まらせる場面が見られた。また、作品賞でスピーチに立ったアフドゥリン監督もヤスミン監督に謝意を伝えた。
作品賞『Papadom』は、10月公開の予定で、会場の反応も今ひとつだったが、ボクが07年にアフドゥリンにインタビューしたときに「妻を亡くした仕事中毒の男が家族愛に目覚め、進学で自分の元を発った一人娘を心配し、ストーカーになるコメディタッチの話」と詳細を語ってくれた。本人にも自信もあったし、いい作品になったものと思う。
＜マレーシア映画祭2009結果＞
《受賞者と作品》
最優秀作品賞 『Papadom』
最優秀監督賞 ヤスミン・アーマッド（Yasmin Ahmad） 『Talentaime』
期待される新人監督賞 ジェームス・リー（James Lee）『Hysteria』
最優秀男優賞 アフドゥリン・シャウキ（Afdlin Shauki）『Papadom』
最優秀女優賞 リヤナ・ジャスメイ（Liyana Jasmay） 『Papadom』
最優秀助演男優賞 シャフィー（Syafie）『Talentaime』
最優秀助演女優賞 サリナ・サイビ（Salina Saibi） 『Bohsia: Jangan Pilih Jalan Hitam』
期待される新人男優賞 ザヒリル・アジム（Zahiril Adzim） 『Kami The Movie』
期待される新人女優賞 ジャクリーン・ビクター(Jaclyn Victor) 『Talentime』
最優秀子役賞 モハマド・ハジック（Mohd Hadziq）『Syurga Cinta』
最優秀脚本賞 ヤスミン・アーマッド（Yasmin Ahmad） 『Talentaime』
最優秀原作賞 アフドゥリン・シャウキ（Afdlin Shauki）『Papadom』
最優秀撮影技術賞 Madnor Kassim 『Setem』
最優秀編集賞 Faizul Mohd Noh 『Setem』
最優秀映画音楽賞 Pacai 『Papadom』
最優秀芸術監督賞 Nazrul Asraff 『Setem』
最優秀効果音賞 Mohd Mohsin 『Cicakman 2: Planet Hitam』
最優秀テーマ曲賞 「Sayangku Di Sisi」 『Jin Hutan』
最優秀衣装作品賞 『Cicakman 2: Planet Hitam』
最優秀ポスター・デザイン賞 『Hysteria』
最優秀コメディ作品賞 『Los dan Faun』
最優秀デジタル作品賞 『Aathma』
最優秀ドキュメンタリー作品賞『Bumi Pribumi』
最優秀アニメーション賞 『My Telatori』
最優秀短編作品賞『Permata Bonda』
特別商業作品 『Geng : Pengembaraan Bermula』
審査員特別賞 『Talentaime』
『Kami The Movie』
『Hysteria』
『Geng : Pengembaraan Bermula』
マレーシア・ライターの見聞録
