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F1に来季からマレーシア・オーナー・チーム誕生! – アサ・ネギシのページ/Music Raja
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マレーシア・ライターの見聞録

F1に来季からマレーシア・オーナー・チーム誕生!

 マレーシアのモータースポーツに賭ける野望のことは、このカテゴリーでしばしば書いてきたが、昨日(15日)その全容というべきプロジェクトが明らかにされた。
 マレーシアと自動車レース最高峰のフォーミュラ・ワン(F1)との関わりは、99年からの開催国であることが知られるが、95年から国営石油会社ペトロナス社によるレッドブル・ザウバー(現BMW)、97年にはスチュワート・グランプリ(現レッドブル)にF1スポンサー史上初となるマレーシア政府がスポンサーとして名を連ねたところまで遡る。
 2010年に参戦する4番目の新規チームとして発表されたロータス・F1は、16年ぶりのF1復帰。過去7度のコンストラクター部門で総合王者に輝き、アイルトン・セナや中島悟が所属した名門である。
 その名門チームが、マレーシア・チームとなる体制で来季からF1に復帰する。


◎なぜロータスとマレーシアか 
 英国のスポーツ車メーカー、ロータスとマレーシアの関係というと、ロータスはマレーシア国産車メーカー、プロトン社の傘下にある。プロトン社は、スポーツ・モデルにロータスの技術が使われていることなどを謳うことで、ブランド力強化に利用してきた。
 ただ、プロトン社は国策会社であり、マレーシア資本であることに固執する事情があり、世界的自動車業界再編の動きの中でも、大手メーカーとの提携関係も進まない様子だ。とてもF1という金食い虫を支えるだけの資金力はない。

(写真:チーム代表に就任するエア・アジアのオーナー、トニー・フェルナンデス氏)
 そこで登場するのが、セパン国際サーキット社を窓口とするマレーシア政府と格安航空会社として拡大するエア・アジアである。チーム名こそロータス・F1であるが、オーナー会社は1・マレーシア・F1チーム。チーム代表は、“マレーシア版リチャード・ブランソン”、トニー・フェルナンデス氏。
 トニー氏のエア・アジア社は、英サッカー、プリミア・リーグ、マンチェスター・ユナイテッドのスポンサーやウィリアムズ・F1チームのスポンサーするなど世界的スポーツに関わってきたが、とうとうトニー氏がF1のチーム代表となるとは、かなり世間を驚かしてくれるという感想だ。
◎F1の拡大の波に乗ってきたマレーシア
 今回のマレーシア・チーム誕生は、F1というスポーツが新興国を組み込み拡大していく第2の波である。
 第一の波は、99年のマレーシアによるF1開催。自動車好きで知られる当時のマハティール首相のアイディアで実現し、後にバーレーン、中国、トルコ、シンガポールが開催国となるきっかけをつくった。ちなみに今年はアラブ首長国連邦・アブダビが初開催、来年以降は韓国とインドでの開催予定されている。
 第2の波が起きたのは、今年シーズン直前にホンダが撤退を決めたことも影響した予算制限。金食い虫のF1の存続のために提案された予算制限は、F1分裂の危機まで招いたが、参戦コストが下がる来季はロータス・F1を含め4チームが新規チームとなる。
 ちなみに新興国によるF1チーム参入は、今年で2季目を迎えるフォース・インディアに先を譲ったものの、モーター・スポーツ界で名を売りたいマレーシアとしては、最大限の手を打った形だ。ロータスは6月に発表されたエントリー・リストから漏れたが、7月のBMWチーム撤退を受けて、予備リストから格上げされたので、運も味方した。
 
◎吉と出るかは賭け
 今回のF1参入の発表を行なったのは、新しいマレーシアのスローガン『1・マレーシア』の提唱者、ナジブ首相だ。
 首相は、広告塔としてのF1によるプロトンのブランド力の強化や自国の自動車産業発展への寄与などを挙げ、「マレーシアが車体を開発し、マレーシア人のピットクルーがつき、マレーシア人ドライバーがハンドルを握る」と語った。無駄遣いという批判をかわすためだろうが、本気だとしたら、かなり甘い。
 ホンダやトヨタでさえF1チームの拠点は欧州に置いている。将来的にF1の開発部門をマレーシアにしたいということだが、欧州中心で行なわれるF1で欧州外に拠点を置くことの利は薄い。増して、F1という最高峰の技術を生み出す人材をマレーシアで確保することは難しい。
 また、マレーシア人ドライバーを起用したいという意向だが、チーム名に国名を冠しているフォース・インディアでさえ、インド人ドライバーを起用したいということは言わない。チーム・オーナーのビジャイ・マラヤ氏は、F1という伝統のある世界で、同国人ということだけでドライバーを起用するようなことは成り上がり者と笑われることは十分周知しているようだ。
 ロータス・F1では、ドライバー決定を10月31日に発表するとのこと。マレーシア人ドライバーでは、可能性的にファイルズ・ファウジ(Fairuz Fauzy)が挙がる。A1グランプリ、GP2アジア・シリーズ、そして現在参戦中のワールド・シリーズ・バイ・ルノーで優勝経験があるが、経歴的にF1ドライバーとして十分足りえるものであるかは弱い。ただ、将来を見込んで挑戦させるのことには異論は出ないだろう。
 マレーシアにとってF1参入は、賭けである部分もある。
 第一にF1の人気に翳りが見えていること。シーズン直前のホンダに続き、7月にはBMWもF1撤退を発表した。もちろんF1の予算制限は、小規模のチームが参戦できることを意図したものだが、速さという至上の価値を謳い、惜しみなく資金と人材が投入される自動車レース最高峰のダイナミズムを削いでしまうという声は、ファンのみならず、F1関係者からも聞こえる。
 新規チームは、「下位カテゴリー並み」という批判もあり、「ただ最後部を走っているだけのチームだったらいらない」という事態が訪れることは想像に難くない。マレーシアは、ロータス・F1という重い名門を背負わなければいけない。
 新興国でもF1に関われるという第一の波を起こしたマレーシアは、そう簡単には引けない状況を自ら作った。
 それでもF1の持つ華やかなイメージは、伸びシロのあるマレーシアに夢を与えくれる魅力がある。
 ブラジルにように優良レーサーを輩出する国になるためには、10年、20年のスパンの時間が必要だが、国のイメージが薄いマレーシアが、F1と結び付けられ知名度を上げることには挑戦する価値がある。

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2 Comments

  1. おーこ おーこ
    2009年9月16日    

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; GTB6; .NET CLR 1.1.4322; .NET CLR 1.0.3705; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.0.4506.2152; .NET CLR 3.5.30729; YJSG3)
    ブラジルには2回行ったことありますが、あそこは国民総レーサーみたいなもんだから・・・、現地人の運転でドライブに行くたび寿命が縮む思いでした。あの国から優良レーサーが出るのは全然不思議に思いません(笑)。
    ロータス!なつかしい名前!
    周回遅れで完走すればいいほうでしょうか・・・?
    それじゃ不満だけど、マレーシアの心意気を応援したいと思います。

  2. アサ・ネギシ アサ・ネギシ
    2009年9月17日    

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 1.1.4322)
     おーこさん、“ロータス”に反応できるとは通ですね。
     
     確かにマレーシア人にも爆走の血が流れているような。
     でも、今回のプロジェクト、五輪招致の東京人みたいに「上の人がやりたがっている」的な雰囲気に傾いたら失敗かも。
     やっぱ、恥かかないかの心配半分です。
     

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