来季から復活するロータスF1支援で、モータースポーツ界を騒がせてきたマレーシアだが、F1で最も存在感を示してきたマレーシア企業、ペトロナスは来季について不気味な沈黙を続けてきた。
そのペトロナスは、21日、今季の製造者部門とドライバー部門を制した制したブラウンGPを買収したメルセデスGPのタイトルスポンサーになることを発表した。昨年まで「ホンダF1チーム」が、ホンダの撤退を受けて、シーズン直前というぎりぎりのタイミングで「ブラウンGP」として生き残り、そして年末には「メルセデスGPペトロナス」と、めまぐるしく動いている。
というよりもロス・ブラウンという一人の才能が、F1史上類のない成功で、メルセデスとペトロナスをひきつけた。資本主義のダイナミズムだ。
同じマレーシアつながりで、ロータスF1としても欲しかったのが、ペトロナスの資金力。ロータス側から恨みの声も聞こえてくるが、ペトロナスとしては“格”の違いを示したかったのだろう。
ペトロナスとしては、14年にもわたって、BMW撤退により、再度ザウバーとなったチームとを支援してきたが、何十年に一度のF1チームの大変動で、ビッグネームと結びつくことを選んだ。
ただ、世界的経済低迷で、ペトロナスからの政府の税収が半分になったことも議会で討議されたが、イラクの復興や旧ソ連のイスラム世界で、石油プラントでの進出などにブランド力が発揮されることだろう。
ペトロナスの目論見どおり、メルセデスGPが表彰台の常連になって、ペトロナスの商標(ロゴ)を世界中のメディアに露出できるのか注目だ。