Warning: Creating default object from empty value in /home/aisaco/www/musicraja/wp-content/plugins/redux-framework/ReduxCore/inc/class.redux_filesystem.php on line 28

Warning: Cannot modify header information - headers already sent by (output started at /home/aisaco/www/musicraja/wp-content/plugins/redux-framework/ReduxCore/inc/class.redux_filesystem.php:28) in /home/aisaco/www/musicraja/wp-content/plugins/wp-super-cache/wp-cache-phase2.php on line 1164
来季F1に2つのロータス、マレーシア企業の思惑は? – アサ・ネギシのページ/Music Raja
アサ・ネギシのページ/Music Raja
マレーシア・ライターの見聞録

来季F1に2つのロータス、マレーシア企業の思惑は?

 たった1年余り前、F1(フォーミュラ・ワン)では、マレーシア・マネーが名門ロータスとメルセデスの復活に寄与するというニュースに沸いていたが、11年シーズンを前にして、ロータスの不毛な本家争いにマレーシアが大きな影響を与えているという事態になっている。

 ロータスの本家争いとは、日本でも名を馳せた格安航空会社エア・アジアを所有するトニー・フェルナンデス氏が代表を務める「ロータス・レーシング」が名称権を取得したと主張する「チーム・ロータス」と、スポーツカー・メーカー、ロータスの親会社となっている国産車メーカー、プロトン社がルノー・F1の株式を取得し、冠スポンサーとなった「ロータス・ルノー」の争いである。


 「チーム・ロータス」は、1958年にコーリン・チャップマンが設立したF1チーム名である。「ロータス・ルノー」は、黒と金の塗装を施したマシンの写真を公開しており、ナイジェル・マンセルやアイルトン・セナがデビューした黄金期の復活を思わせるチームだ。
 そもそも10年シーズンに参戦した「ロータス・レーシング」は、マレーシアの企業連合が支援する「1・マレーシア・レーシング・チーム」が運営母体。企業連合といっても、実質は資金力があり、代表となったトニー氏がコントロールしている観が強い。
 トニー氏は、ロータスの名を使用するに当たって、同じマレーシア企業であるプロトン社から名称の使用許可を得ていた。その際、トニー氏もプロトン社も「チーム・ロータス」が、第3者であるデービッド・ハント氏が所有していたことは認識しており、F1でのエントリー名は「ロータス・F1」とした。
 今年の半ばに入って、プロトン傘下のグループ・ロータスが、GP2カテゴリーでロータスを復活させる意向があり、トニー氏側に許可を取り消す通達をしたと見られる。対してトニー氏は、9月に「チーム・ロータス」の名称を所有するハント氏から名称権を得たと発表する。
 しかし、グループ・ロータス側は、トニー氏の主張に異議を唱え、12月にプロトン社がルノー・チームの株式を買い取り、「ロータス・ルノー」として今シーズン参戦することを表明した。
 以上が2つのロータスが出現した経緯だ。
 ここで当然の疑問として浮上するのが、なぜ同じマレーシア人・企業どうしで、争わなければならなかったのか。ここに絡んでいるのが、グループ・ロータスCEOのダニー・バハー氏。バハー氏は、09年にフェラーリの副社長からヘッドハントされた人で、今年のパリのモーターショーでは、5車種ものコンセプトモデルを発表し、ロータスの新時代を演出したなかなかのやり手だ。
 今回、話がややこしくなっているのは、バハー氏がトニー氏の動きに強行に反対したからなのだ。
 個人的には、乗りかけた船であるトニー氏に「チーム・ロータス」をあきらめろというのも酷な話だとも思うし、バハー氏がビジネスとしてのロータスの本丸として、「チーム・ロータス」にこだわるのもわかる気がするので、どちらが正しいかは判断しかねない。
 現在、名称権については、ロンドン高等裁判所で係争中である。結果的にロータスを用いるチームが1つになろうとも、2になろうともコアなレース・ファンは、94年に破綻したロータスの母体を引き継ぎ、英国F3で活動しているライトスピード・F3・チームこそ正統なロータスだと見るの向きが多い。
 そういう人たちの目には、トニー氏もプロトン社もブランドをカネで欲しがる田舎モノと映るだろう。
 もうひとつ述べておきたいのは、プロトン社の立場から。
 たいして海外市場も広くないプロトン社にとって、ロータス・F1へは、傘下のロータスの宣伝活動のためでしかなかったはずである。マシンのロゴの小ささから察するに資金的には、あまり拠出していだろう。
 しかし、新生ロータス・ルノーには、5年間で4億8千ポンド(23億7000万リンギット=約630億円)拠出するという。新聞記事によるとプロトン社の今年9月までの現金や換金可能な証券の総額は、12億リンギット(約319億円)ほどだという。プロトン社では、資金はグループ・ロータス側から出ると説明しているが、とても身の丈にあった額とは思えない。
 現地メディアの報道では、ロータス車の販売台数は、年間1,500台ほど。プロトン社では、それを5,000台に伸ばしたい意向だ。同じ高級スポーツカー市場で、フェラーリが年間6,000台ほどというから、かなり高いハードルだ。また、プロトン社は、アジア・パシフィック・ラリー選手権(APRC)に参戦しているロータスの技術を導入したサトリアR3のベースモデル、サトリア・ネオを海外草の根レーサー市場に売り込んでいる。日本でも150-160万円程度の格安なベース車両として販売が開始されている。
 こうみてきても、プロトンのF1への投資は、大きな賭けであり、バハー氏に振り回されてはいないのか。
 今回の名称騒動は、マレーシア企業の評判を落とすことにならないか。
 2つのロータスにマレーシア・マネーが分散されて、結果としてF1と言うスポーツに何も残さないで終わるのか。
 心配な話ばかりである。

Facebook にシェア
Delicious にシェア
[`evernote` not found]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

2024年5月
« 6月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

おすすめマレーシア本