ローカル芸能界で新たな挑戦する日本人田中靖彦(Yasu Tanaka)氏のニュース。
映画の都ハリウッドで学び、日米で脚本家やプロデューサーとして活躍する田中靖彦(Yasu Tanaka)氏の手による長編テレビドラマ『ラリ・サヤン・ラリ(Lari Sayang Lari)』が衛星放送局アストロ・プリマ局(105)で10月23日(日)、午後10時から放映される。
当地の芸能にかかわった日本人としては、07年公開の『Sumo Lah(邦題:相撲ら)』の脚本と第2監督として制作にかかわった窪田道博氏が思い浮かぶ。田中氏の場合は、脚本・プロデュース・監督という完全に制作にかかわり、おそらくテレビ・ドラマとしては日本人初であろう。
『ラリ〜』は、古典『ロメオとジュリエット』の恋愛劇に60年代のテレビ・シリーズ『逃亡者』のサスペンス色を盛り込んだ作品。田中氏は、「当地ではアクション作品と見られるぐらいのテンポのよい逃亡劇に仕上がった」という。また、脚本のプロとして「ストーリーも飽きさせない展開」と自信をうかがわせる。
主演は、殺人の嫌疑で逃亡する主人公にアリフ・サタール(Alif Satar)、その恋人にエリン・マレック(Erin Malek)という顔ぶれ。アリフは、地上波テレビ局TV3のスター・オーディション番組『One In A Million』第1期(06年)出身。(ちなみにファイザル・タヒルと同期)エリンは、子役として芸歴があるが主役は今回が初めてとのこと。
田中氏は、ハリウッドでノウハウを学び、若手脚本家を育成する講師として日本やアジアを飛び回っているプロ中のプロ。映画では少しずつ変わってはいるものの、「冴えない、ダルい、先が読める」の悪しき三拍子が色濃い当地のテレビ・ドラマにどんな影響を与えるか楽しみでならない。
今後も『ラリ〜』のシリーズ化や映画の制作も進行中とのこと。
この前、田中氏にお会いしたとき、「脚本さえしっかりしていれば、いい演技ができる俳優は多いし、いい素材も揃っている」と話していた。
当地の芸能界についてポジティブな手ごたえを得ている田中氏だけれども、やはり困難もいっぱいの様子。この辺の話は、またいつか…。
ともあれ当地在住の方は、ぜひ『ラリ〜』をご鑑賞あれ。
予告編は、田中氏のプロダクション会社のサイトで。