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マレーシア五輪代表、歓喜から落胆の1週間 – アサ・ネギシのページ/Music Raja
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マレーシア・ライターの見聞録

マレーシア五輪代表、歓喜から落胆の1週間

 再びマレーシア五輪代表“ハリマオ・ムダ(若きトラたち)”について。

 前の稿で、王者らしくないとらえどころのない存在戦いぶりについて書いたが、五輪出場を最大の目標に掲げるマレーシア・サッカー界にとって、ハリマオ・ムダは、近年にない完成したチームであることは確かだ。マレーシアは、72年の五輪に出場(80年モスクア五輪は、予選を勝ち抜いたものの、西側ボイコットに同調)したことがあり、今回アジア地区第3次五輪予選まで勝ち残ったことで、大願成就への期待が寄せられている。
(写真:代表ハリマオ・ジャージを着る子供) 


 SEAゲーム(東南アジア競技会)制覇の歓喜に沸いてから中2日の11月23日、マレーシアは、アジア地区五輪予選、ホームでのシリアとの一戦に臨む。
 マレーシアは、SEAゲームに参加した主力が7名に加え、日本戦でのサイド攻撃で印象的な動きをしたワン・ザック・ハイカル(Wan Zack Haikal Wan Noor)やモハマド・イルファン・ファザリ(Mohd Irfan Fazail)らのスロバキア・リーグFC ViOn Zlaté Moravce への期限付き移籍している有力選手が加わった。
 中東勢と東南アジア勢の対戦は、ホームとアウェイのパフォーマンスの差が大きい。中東勢は、東南アジア特有の湿気で本領を発揮できない傾向がある。また、マレーシアは2次予選でレバノンを下しており、少なくとも中東勢には勝てないことはないという意識は、持ち始めている。
 試合は、やはりインドネシア戦との死闘の疲労は色濃く、前半こそアウェイへの適応に時間がかかったシリアを無得点に抑えたものの、後半に入った50分、ゴール前への超ロングスローからヘディングという奇襲ゴールを決められ先制を許す。必死の反撃も81分の失点により、潰えてしまった。マレーシアは、日本戦に続き0-2の敗戦。
 シリア戦から4日後の27日に迎えたホームでのバーレーン戦は、マレーシアにとって同組で最も付け入る隙がある相手だった。アラブの春により、有力選手が国外に逃げ、チームの結束も今ひとつという状況だった。
 対するマレーシアは、疲労も回復し、ホームの観衆の声援にも後押しされ、前半から動きがよかった。前半29分には、チーム最年少17歳のMFモハマド・ナズミ(Muhamad Nazmi Faiz Mansor)が、目の覚めるようなロングシュートで先制。ちなみに容姿もなんとなくブラジルのカカを髣髴させる選手だ。ハリマオ・ムダの潜在的な強さを感じさせる場面だった。マレーシアには、よい流れの展開となったが、両軍ともラフプレーが目立ち始め、前半の終了間際にキーマンのひとり、ワン・ザック・ハイカルが負傷による交代した。
 後半に入ってもラフプレーの多さが目に付く試合運び。ラフプレーに容赦なくカードを出すウズベキスタン人審判は、後半60分にバーレーン選手を退場処分。数的有利になったマレーシアは、後半69分バーレーンがゴール前でクリアーの処理を誤った場面で、DFマハリ・・ジャスリ(Mahali Jasuli)が押し込み、2-0とリードを広げる。この時点でハリマオ・ムダは、かつてない最高の瞬間を迎えていたと言えるだろう。楽観ムードがスタジアムを覆い始め、チームとしては現在成しえる最高レベルでの初勝利が見えてきた。
 しかし、あと20分をどう守りきるかという課題でハリマオ・ムダは、もろさを露呈した。後半の半ばには、ラフプレーでこの日出色の動きをしていたモハマド・ナズミを失う。そして81分、バーレーンは、ゴール前でマレーシア守備陣のマークを交わし、オーバーヘッドからゴールで反撃を開始。85分には、守備陣のラフプレーにより、右サイドからの直接ゴールを狙える位置でFKを与えてしまう。このFKがゴール右上に決まり、同点。86分、落胆するハリマオ・ムダの心理を突くように、バーレーンがカウンターからの逆転ゴール。
 
 手中にしていた勝利がこぼれ落ちた。最後の10分は、とても日本を2失点で食い止めた堅守の面影もない戦い方だった。慢心としか言いようがない。
 これでマレーシアの五輪出場は、絶望的な状況となった。ただ、それでもハリマオ・ムダは、レベル・アップの可能性を秘めているチームだと思う。
 一昔のマレーシア代表は、代表召集は奉仕で給料が出ないために、クラブ・チームから出たがらなかったと聞く。ハリマオ・ムダとして常設チームにしてしまうという方策は、クラブ・チームからフル代表に招集された選手が、代表に誇りを持っていない問題点から出発している。
 
 また、ナジブ首相が掲げる国民統合・民族融和のコンセプト、“1・マレーシア”は、チーム・スポーツの雄たるサッカーに目をつけ、ことあるごとに支援策を打ち出している。代表ユニホームがファッションとして浸透しているのも政治家の思惑だけからではない。やはり、70年代に強さを誇ったマレーシア・サッカーの興隆の期待と夢を見ているからだ。
 ハリマオ・ムダには、アウェイでのバーレーン戦(2月5日)、ホームでの日本戦(2月22日)、アウェイでのシリア戦(3月14日)が残されている。一つでもマレーシア・サッカーの未来につながるプレーを見せてもらいたいものだ。

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