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マレーシアで見廻すアジアの暦 仲秋、光の祭り、断食明け

Posted in マレーシア by Asian Heart Beat on the 4月 12th, 2007

(文・写真:アサネギシ
 マレー系、中華系、インド系というアジアの三大民族が住むマレーシア。一国にいながらにしてアジアのお祭りを見ることができるのが楽しい。今月21日はインド系ヒンドゥー教徒の光の祭り『ディーパ・バリ』、続いて24日はマレー系を中心とするイスラム教徒のラマダン(断食)月明けの大祭『ハリラヤ・プアサ』という2つの宗教にとって最大のお祝いが同時期に重なるのだ。日本で言ったら文字通り“盆と正月が一緒にきた”ような感覚だろうか。地元では、 “ディーパ・ラヤ”という造語もできて、民族の壁を越えてお祭りムードが盛り上がっている。ちなみに飛び石休暇の谷間となる23日も臨時休日が宣言され、 5連休となっている。

 こうしてお祭りが重なる理由は、イスラム教、ヒンドゥー教とも新月をもって新しい月の始まりとする太陰暦を採用しているため。ちなみに今月6日の満月は、中華系が名月を眺め、月餅(ゲッペイ)を食べて仲秋節を祝った。名月が欠けるのと同時にラマダン月が終わりを告げる。アジアは、まだまだ月とともに暮らしているのだ。

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▲10月に入り、街中の至る所がお祭りムードに

 ディーパ・バリは、善の象徴である光が悪の闇に打ち勝ったことを祝うもの。インド本国では「ディワリー」と呼ばれ大きな祭りではないが、南部出身のタミール人が多数のマレーシアではディーパバリが最大の祭りとなっている。ディーパ・バリはインドと異なる点も多いが、善を演じるのは神クリシュナであることと、光の祭りであることは一致している。ヒンドゥー教二大神の一人ヴィシュヌが化身した人格神クリシュナについては、叙事詩ハリヴァンジヤで英雄として悪を倒す逸話が多く描かれており、正義の象徴として民衆に愛されている。ディーパ・バリの朝には沐浴を行い、頭に香油をつける習慣がある。また、家の中や庭に小さな灯油ランプを置き、正義の象徴である光を灯す風景が見られる。また、両親や親戚を訪れ、団欒を楽しむ時でもある。

 ハリラヤ・プアサは実際に新月の観測を行ってから宣言されるしきたりで、今年は24日の予定。ハリラヤ・プアサは1年で最も困難なラマダン月の終了を祝う日で、ディーパバリと同様に最大の祭りであるが新年ではない。こちらは世界中のイスラム教徒共通の最大のお祭りである。ハリラヤ・プアサが宣言された翌朝は新調したバジュ・ムラユ(マレー民族服)を着て、多くの人がモスクに礼拝に出掛ける。そして昼からは普段離れて暮らしている両親や親戚の家を訪れ、歓談や飲食を楽しむ。子供達の楽しみは、日本のお年玉のように袋入りで配られる小遣い、ドゥエ・ラヤだ。

 この時期、王室から閣僚といった社会的地位がある人から庶民まで自宅を開放するオープン・ハウスというマレーシアらしい習慣がある。多民族社会のマレーシアは、こういった機会に外国人や民族の違う友人を招き、料理や菓子でもてなして自分たちの民族の習慣を紹介する機会としているのだ。多民族社会の調和の秘訣は、こんなところにもあるのかもしれない。また、庶民でも誰の家が一番お客を招いたかを競い合っているようなところもあって、ほほえましい。

 この時期、ぜひマレーシアのお祭り情緒を味わってもらいたいものだ。

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