ドンキの火事とBB事情

　のっけからマレーシアのことではないのだが、ドンキホーテの話が気になった。
　日本にいない日本人になってから日本の何がイヤだというと商品の山。特にスーパーマーケットの陳列棚では、あらゆる自己主張をする色彩のパッケージが何の調和もなく並んでいるのが堪えられない。色の洪水に、ホントにめまいがするのだ。
　実は、帰国して滞在した場所が旧浦和市なので、出火の10日ほど前に花月店に足を踏み入れていたことを思い出した。
　滞在中、めまいが最高潮になったのはまさにこのドンキで、圧縮陳列という言葉も今回初めて知った。
　　迷路のような店内を怪しくうろついているボクの姿は、きっと防犯カメラに残っていて不審な人物のひとりになっていたのだろうなぁ。容疑者が捕まったからいいものの…。
　でも、出火したときに店内にいたら絶対焼け死んでいただろうとも思う。
　そうそれでマレーシアの話。
　ビンボーライター家業のボクも必要に迫られて、BB（ブロードバンドのこと、でしょ？）に加入申し込みをしていた。
　まぁ、何でものんびりのマレーシアのこと、すぐに来るとは思っていなかった。
　どーせ、イライラするだけ損だから、電話での催促も適当にしていた。電話しただけでは、どーせラチも開かないだろうというのもマレーシアなのだ。
　そろそろ申し込んで1カ月なので、そろそろと思っていたら、夕方になってBBの工事人と思しきにぃーちゃんがやってきた。「電話ぐらいして来い！」とも思うのだが、たまたま家にいたのが僥倖だと思って、言葉を収めた。
　マレーシアもそれほど捨てたものでなく、堪忍袋が切れる直前ぐらいに愛想がいいにぃーちゃんが来て、適当にごまかされてしまう。
　もうマレーシアが長くなるとこの辺の展開も他人事のように楽しめてしまうのだ。
　マレーシアもBB時代を謳っている割には、普及はまだまだ。結局、一時にインフラを用意する資金もないので、加入者が集まりそうな住民がいる所から点で整備するしかないようだ。
　仕事場兼自宅のエリアには、なぜか国内最大のテレコム・マレーシアのインフラではなく、ずっとマイナーな会社の電話線しかない。BBに加入したくても整備してくれる会社がないという有様だった。
　話が脱線するが、このマイナーな通信電話会社は、突然プロバイダー業を止めてしまうという普通の営業戦略上考えられないことをする会社で、新たなプロバイダーも1社しか選べないという不便を享受しなければいけない羽目になった。インターネット接続環境は、プロバイダーにはプリペイド式のカードを買わされ、電話会社にダイヤルアップの料金を払わされるという日本ならばきっと「いつの昔の話をしているのか」と思われるものだった。
　まぁ、それで今晩からBBの環境を利用できることになった。
　それ程余裕もないので、384ｋｂｐｓという速さで月々RM66。（514ｋｂｐｓだとRM88）前の環境は、調べたら45ｋｂｐｓだった。（ということは8倍速いのか？？？）
　
　45ｋｂｐｓの時代に最高７Mｂのファイルを根性というか、意地で送っていたボクのところにやっと快適という文明の必須条件が満たされたということだ。
　メデタシといいたいところなのだが。ウェブのページがビシバシみられるのはいいが、ドンキの圧縮陳列と同じめまいが…。
　もう誰も日本人とは認めてくれそうもない人間になりつつある。
　
　

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