ヘイズ（煙霧）の襲来

　まず、写真をご覧あれ。

　KLの目抜き通り、ブキット・ビンタンから451mの高さのペトロナス・ツインタワーを眺めているのだが、ご覧のとおりもやに霞んでいる。写真の腕が悪いのではなく、このところ続く雨が降らない天気により、焼畑によるヘイズ（煙霧）がマレー半島の空を覆っている。
　このヘイズがどこからやってくるかは、地元新聞ではスマトラからと報道されている。インドネシアの環境大臣が謝罪していることからも、原因の大半はインドネシアなのだろうが、マレーシア政府も「野外で火を燃やすことに対して最高50万リンギットの罰金か5年の禁固刑、もしくはその両方」と厳命しているので国内にも原因となる火災があるのだろう。
　このヘイズは97年に猛威を奮い、視界不良のためにタンカーの衝突や飛行機の墜落まで引き起こした。しかし、当時のマハティール政権時の政府は、観光やビジネスへの影響を憂慮し、地元メディアに過熱報道を控えるように要請した。そのおかげでAPI（大気汚染指数）の発表ができなくなった。
　このAPIが厳密にどういった基準かは不明だが、マレーシアに住む人にとって経験値として役に立っていた。97年にAPIは最高350レベルにまで達したと記憶している。03年のサーズ（新型肺炎）蔓延時のようにマスクを買い求める人が少なからずいた。
　今日のレベルは、目がしょぼしょぼするのでボクの経験値では200を超えていると思う。外にいると自然に薫製状態となっている。なんだか毛穴が詰まって水分が発散しないようなので、うまみの成分が閉じ込められたスモーク・サーモンの人間版が出来ているのではないだろうか。
　おバカな話は置いておいて、呼吸器系の障害がある人にはやはり深刻な問題なのでAPIの発表を復活させてもらいたいものだ。
　
　「まぁ、そのうち雨が降って収まるさ」で毎年うやむやに終わっている話である。
ついでに人気ランキングでも見ていって
　

　今日のテレビのニュースでは、当面風向きが変わらず、また雨が降らないことが予測されるので、ヘイズ状態が続くとのこと。
　KL国際空港（KLIA）では、視界が800mから1kmまで悪化しているようだ。
　また、メディアも政府に対してAPIの発表を求める機運が出てきた。
　政府も再考してもらいたいところだ。
（さらに追加）
　10日になり、政府はAPIの発表を再開。
　KL首都圏では、クランの400超を最高に軒並み300を記録する事態に。
　KLの学校は2日間休校の措置となる。
　モンスーンの方角が変わる10月までヘイズは去らないという見方もあり、しばらくは我慢となりそうだ。

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