新シリーズA1PG開幕、マレーシア5位入賞！

　25日、モーターレースのW杯を謳ったA1グランプリ（GP）の記念すべき開幕戦が英国ブランド・ハッチ・サーキットで行われた。関連過去記事はこちら。
　A1GPは、マシン製造者やドライバーが主役のフォーミュラ・レースに国別対抗のコンセプトを導入した新カテゴリーなのだ。日本はもとより、マレーシア、インドネシア、中国、ロシア、インド、パキスタン、レバノン、南アフリカなど欧米、南北アメリカ大陸などの国々以外もエントリーしているところがみどころ。ついでに言うと99年マレーシアがアジアで2番目のF1開催国になったことで、バーレーン、中国、トルコなどF1のグローバル化が進んだことの延長線にあるとも言っていいとも思う。
　それでマレーシアでも地上波テレビ局８TVが中継すると予告していたのであるが、生ではなかったようなので衛星放送局ASTROのスター・スポーツで観戦した。
　観戦した感想は、「けっこう面白い」の一言。
　まず、ワン・メイクのレースは新鮮だった。どのチームも同じクルマなので、ドライバーの力量が結果に反映される。実際も接戦でオーバーテイク・シーン（追い越し）も数多く見られた。やはりマシンの良否でレースが決まっている部分が大きいF1は、素人的に面白いスポーツなのではないことを再認識した。
　第2にこれも大事なことだが、A1マシンはカッコいい。
　F1以外のフォーミュラ・マシンはあくまでもカテゴリーにあわせて性能やコストを制限している。（だからフォーミュラという言葉で称される）制限することを基本にクルマを設計しているのだからF3やGP2のマシンはF1よりも遅く走るためのフォルムでしかない。（非常に大雑把な言い方だけど…）なので、どこか野暮ったさを感じてしまう。A1はF1とは別のカテゴリーであり、制限することが設計の基本ではない。
　ボクはなかなかいいフォルムだと思う。86年当時のF1データーしか比較の対象がないのだが、同サーキットでF1マシンよりも3秒から5秒落ちの速さでA1マシン走っている。テレビで観ていてもF1と遜色ないスピード感だ。
　第3に国別レースというのは応援し易い。F1を頂点とするカテゴリーが上のフォーミュラ・レースは欧州、南北米、日本人が大半で、それ以外の国の人には強く応援できる対象がなかった。なんだかんだいって、国別チームというのは応援し易い。
　注目のドライバーは、ご存知往年の名F1ドライバーの息子ネルソン・ピケ・Jr.（ブラジル）。日本チームも若手でF1を目指す福田良という期待の星だ。そのほか元F1ドライバーも名を連ねている。オランダのフェルスタッペンやマレーシアのアレックス・ユーンは、A1では名士扱いだ。
　記念すべき第一戦では、ブラジルのネルソン・ピケ・Jr.が優勝し、初戦からスターが誕生した。2位豪州、3位メキシコ。マレーシアは5位入賞。日本は8位だった。　
　
　マレーシアの5位入賞はすばらしい結果で、アジアのモーター・スポーツ王国を目指す第一歩としては申し分ない。アレックス・ユーンは、セーフティーカーが3回も導入される荒れたレースを冷静に走りきった。本人も「1年ぶりのレースだったが、上手くフィニッシュできた」と興奮気味に話していた。ミナルディ時代も02年に奇跡の7位入賞を果してからクルマをゴールに運ぶ堅実さは評価されていたこともあったので、新天地で輝いてもらいたいものだ。
　A1GPは、来年4月まで年間12戦のシリーズ。次戦は10月9日にドイツ戦。
　マレーシア戦は第5戦で11月6日にセパン国際サーキットで開催される。
　公式サイトはこちら。
　さて、これからF1ブラジルGP観戦だ…。

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