なんとこのブログのトーン(暇人が誰も関心がなさそうなことを書く)に合わない忙しさでレシュモニュの東京レポートも書き終えていないうちにマレーシア映画界に朗報が。
これも第一報がしおんさんの書き込みという暇人(を標榜する)の片隅にも置けない体たらくさなのだが、『セペ(邦題:細い目)』が東京国際映画祭で最優秀アジア映画賞を受賞した。
詳細はこちらの最優秀アジア映画賞受賞式の模様から。
同作のジャスミン・アーマッド監督は、先月末にクアラルンプールで行われた『アジア太平洋映画祭』に出展しなかったといういきさつを10月3日付けの記事で書いた。繰り返すのはやめるが、ジャスミン監督が地元映画界に渦巻く誹謗と嫉妬に嫌気が差したからだ。
今回の受賞は、そういった後味の悪さをこれ以上ない形で吹き飛ばし、かつ頑迷ともいえる一部の地元映画人に痛烈な一撃を与えるという、要するに野次馬のボクにとって胸のすくような出来事だった。
リンクを開くのが面倒な人のために審査員の評価を以下に引用。
受賞理由について、「本作は他民族が生きている現実をリアルに描いています」と講評。「マレーシア映画史上、画期的なだけではなく、共に生きていく、という世界的課題にひとつのビジョンを提示してくれたという点で高く評価しました」。
ボクとしては、同作の結末があいまいなので「共に生きていく、という世界的課題にひとつのビジョンを提示してくれた」というところには肯首しがたいのだが、作品を通してマレーシアというイスラム教徒を含む多様性社会が生き生きとした共生のモデルとして認識された意義は大きいと思う。特にイスラム教徒という世界の各地で軋轢の要因となっている多様性社会というのが大事な点だ。
そしてこの多様な社会から生み出される音楽や映画が、もっと日本を初めとするアジアに影響を与えることを切に願う。マレーシアの音楽界や映画界の多民族性は今に始まった潮流ではないから、きっと多様性は武器になると思う。
願わくば、マレーシアの音楽と映画、スポーツを愛する道楽者のライターにもペンで情熱の調べを紡ませて欲しいとも。(こりゃ絶対蛇足だね)