ちょっと昔になってしまったが、先週24日に行われたマレーシア、シンガポール、インドネシアのマレー語圏の音楽祭プラネット・ミュージック賞(APM)の結果を。
<最優秀男性新人賞>
エロ(Ello) (インドネシア)
<最優秀女性新人賞>
ニッキー(Nikki)
<最優秀グループ新人賞>
Maliq & D’Essentials(インドネシア)
<最優秀男性賞>
Marcell(インドネシア)
<最優秀女性賞>
ジャクリーン・ヴィクター(Jaclyn Victor)
<最優秀グループ賞>
Peterpan(インドネシア)
<最優秀曲賞>
「Dealova」Once(インドネシア)
<最優秀アルバム賞>
『Senyawa』Chrisye(インドネシア)
<最人気曲賞>
「Aduh Saliha」マウィ(Mawi)
<最人気男性賞>
Taufik Batisah (シンガポール)
<最人気女性賞>
シティ・ヌルハリザ(Siti Nurhaliza)
<最人気グループ賞>
Peterpan(インドネシア)
<シンガポール最優アーティスト賞>
Ahli Fiqir
<シンガポール最優秀アルバム賞>
『Hari Ini Damal Sejarah』Ahli Fiqir
<シンガポール最優秀曲賞>
「Cinta Abadi」Eka Martina
<功労賞>
Loloq(作詞家)
*太字はマレーシア
APMは、最優秀部門は審査員、最人気部門は視聴者投票によるもの。今年も最人気部門8部門中6部門(昨年は5部門)独占。マレーシアは昨年と同じ2部門にとどまった。
最優秀女性歌手賞のジャクリーンは、ジュアラ・ラグの年間大賞から賞に縁がある。マレーシア音楽産業賞(AIM)でも賞レースのトップに踊り出るのは間違いなさそうだ。
最優秀女性新人賞のニッキーは、ジャクリーンと同期のマレーシアン・アイドル出身だが、本国ではまだ今ひとつの感じが否めない。新聞によるとシンガポールでのラジオOAが頻繁とのことらしい。ちなみに目と鼻の先にあるシンガポールでもマレー語音楽市場の様子は少しことなるらしい。Ahli Fiqirのようにマレーシアでデビューしている例もあれば、シンガポール・アイドルのタウフィック・バティサやエカ・マルティナのようにマレーシアで聞かない名前もある。
いままでシンガポールのマレー系はマレー語で歌う限り、自動的にマレーシアを目指している、といった認識でいたが、もうちょっと厳密に見ていかないといけないかもしれない。マレー人にいわせると、シンガポールのマレー系のマレー語はインドネシア訛りに近いということなので、インドネシアを目指すアーティストもいるのだろうな。(このことについては、いずれ項を割いてみたいが)
さて、全体的に今年目立ったのはインドネシアのポップロックバンド、ピーターパン。人気と実力でマレー語圏を圧した。シティも新譜を出さなかった割には、最人気女性歌手部門を空け渡さなかった。でも、今年はMTVアジア賞にはノミネートされず、AIMでも1部門のみなので、デビュー以来最も賞の獲得数が少ない年になるのかもしれない。その代わりにポスト・シティの座を狙うマウィが2賞。しかし、まだマレー語音楽界のターニングポイントにはならないでしょ。まだシティはがんばるのでは。
シンガポールという別枠扱いではあるものの、Ahli Fiqirの2賞も立派。ボクも『Pop Asia』誌で05年のフェイヴァリット・アルバムに選んだので、溜飲が下がる思い。
前の記事に書いたシティが先行して披露した新曲の曲名は、「Biarlah Rahsia」。新作では最大の売りになるであろうメリー(Melly Goslow)の作曲。ちなみに作詞はシティ自身。
意味は“秘密にはふれれないで”という感じだから、シティの恋愛問題の噂ばかり先行する今、ちょっと意味深だ。
ただ、英語タブロイド紙マレーメールの記事でも「後に続いたマルセル(Marcell)のルックスと歌で忘れられた」と書かれているので、ちょっとインパクトが弱かったのはボクだけの印象ではなかったようだ。